吉岡心平のマーク

ワキ700形728

私有貨車

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テキ1二代形

 番号
[ロット表]

ワキ710

 ページ
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特別編189
特別編191

●積荷
●構造

入口


 我国では汎用貨車である「有蓋車」の私有は認められていない。片道輸送が多くなり、運用効率が低下するのがその理由だ。ワキ700形はその数少ない例外だが、まさに戦争の落し子と言って良いだろう。
 太平洋戦争の開戦に伴い、航空爆弾・魚雷の輸送が急増した。これらは有蓋車での輸送が求められたが、我国の有蓋車は側扉が小さく、魚雷など長大な重量物の輸送には不適であった。これを解決するため、新製されたのが本形式である。

 ワキ700形は昭和18年に30両が国鉄工場で製作された。担当工場は前半15両が大宮、後半は大井工場なので、ここに取上げたワキ728は、昭和18年2月大井工場製である。

 車体は最大長14,085mmとワキ1形より大きく、開口幅3,500mmの両開引戸が両側で互い

 違いであり、車内には荷役用の組立式ホイストを装備していた。
 台枠は魚腹型で、長さは13,950mm・BC間距離は10,400mmであった。構造はチキ1500形に類似するが長さは1,150mm長い。余談だが戦後製のレキ1は本形式とほぼ同寸で、これを参考にしたようだ。台車はチキ並にTR24を装備したが、高速走行を意図したかどうかは判らない。

 落成時の所有者は第21海軍航空廠・常備駅は日宇であった。敗戦と共に旧軍の所有物として大蔵省に所管替えとなり、戦後の混乱期は客車や荷物車の代用として使用されたようである。
 昭和33年には国鉄が大蔵省より買い上げ、晴れて国鉄貨車となった。晩年は大型の車体を活かして救援車代用となる例が多かったが、写真のワキ728などは、どうも進駐軍が使用していたようである。


●関連形式 シキ40形261  昭和20年6月日立製、陸軍所有の大物車で、同様に国鉄に買い上げられた。


ワキ700形728の写真

【写真1190】 ワキ700形728 昭和43年5月1日 高島貨物駅にて P:堀井純一

【堀井さんから貴重な写真を提供して頂きました】


【特別編190】020416作成、020928リンク追加、040420R4、050212R4A、050513ワキ709を728に変更、
071108R4A2、091207R4B。