吉岡心平のマーク

タム5600形5600

私有貨車

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タム5500形
タム5700形

 番号
ロット表


タム5601

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特別編265
特別編267

積荷
●構造

入口


 今回は2軸の四塩化炭素専用車を紹介する。

 タム5600形は15トン積の四塩化炭素専用車である。16トン積としている資料もあるが、写真で判るように15トンが正しい。全部で2両が在籍したが、いずれも他形式からの改造車である。

 タム5600は昭和33年2月日車支店でタム5000形塩酸専用車の5023を改造した。種車は昭和25年カテツ交通製の戦災復旧車で、僚車であるタム5024は、私有貨車セミナー第47回(RM165号)に掲載したので見て欲しい。
 改造では種車のタンク体を廃却し、普通鋼製のタンク体を新製した。積荷の設計比重は1.6と大きので、タンク容積は9.4m3と小さい。タンク直径は1,500mm・長さは5,676mmで、内面には厚さ1.5mmの鉛ホモゲン処理を施した。鉛ホ

モゲンとは、丁度模型の「ハンダメッキ」のように、鉛を溶かしながら表面上にコーティングしてゆく処理である。フラックスに相当するのが「ホモゲン液」で、塩化亜鉛等が主成分なようだ。
 台枠は種車の物をそのまま使用した。今回は余興として、戦災前の形式を推定してみよう。まずデータの「全長7,050mm・軸距3,900mm」から、有蓋車と判る。一方150mmチャンネルを用いた側枠と1段リンクばね釣受の形状、下端が垂直となった軸箱守は、昭和初期製の貨車の特徴を示している。両者に該当する形式を探すと、ワム20000乃至21000形と特定できるのだ。

 所有者は日本曹達KK・常備駅は能町から昭和34年12月に二本木駅に移動した。台枠が弱かったと見えて、ヨンサントウの貨物列車スピードアップに落第し、昭和43年9月末に廃車となった。


タム5600形のロット表

ロット 番号 製造年 製造所 旧形式 旧番号 落成時の所有者
5600 S3302 日車支店▲ タム5000形 5023 日本曹達KK
5601 S3512 日車支店▲ タム200形 278 日本曹達KK

タム5600形5600の写真

【写真1266】 タム5600形5600 P:吉岡心平所蔵


【特別編266】020908作成、040128R4、050501R4A、070704R4A2、090526R4BY、131018R4C。