吉岡心平のマーク

シキ400形400B1

私有貨車

 形式
索引

シキ370形
シキ600形

 番号
[ロット表]


 ページ
索引

特別編237
特別編239

積荷
●構造

入口


 今回紹介するのは、我国初の240トン積大物車であるシキ400B1形だ。

 シキ400は昭和34年4月に三菱で製作された。一形式一両だが、最初から240トン積のB1梁と、170トン積のB2梁とが同時に作られている。

 上廻りは、シキ170形以来主流となっていたトラス式の荷受梁を止め、高張力鋼板を溶接したガーダー構造とした。この方式は、後にシキ600、610、そして700の各形式に踏襲され、超大型大物車の標準となっている。
 下廻りは(4−4−4)軸複式ボギーで、単位となる4軸台車には重量削減のため、Beugniot(ブニョー)式と称するインサイドベアリング構造を採用した。この方式は、下廻り重量を画期的に削減出来る反面、実使用では軸焼けが多発し保守担当者を悩ませた。軽量化のため車輪径は800mm、

車軸には中空軸を使用した。本形式最大の弱点は軸焼けで、落成後の使用実績では10回の運用で4回の車軸発熱事故を起こした。特に240トン満載時には軸重バランスの問題もあり軸焼けを起こしやすく、輸送中の発熱では立ち往生する訳にもいかず、発熱との戦って輸送した壮絶な記録が、添乗者により残されている。
 このため昭和36年に、軸受メタルにホワイトメタル層を追加する等の抜本改造を受けた。これでようやく一人前となったようが、他形式に比べれば依然として手j間の掛かる車だったようである。

 所有者は三菱電機KK・常備駅は塚口であった。その後、変圧器工場の新設により、常備駅は昭和47年4月に西浜信号場に移動した。特殊構造が災いして、使用頻度の少ない大物車としても淘汰は早く、シキ610形614B2に置き換えられる形で昭和51年9月に廃車となった。


【特別編238】020719作成、040512R4、050425R4A、090701R4BY。

シキ400形400B1の写真

【写真1238】 タキ400形400B1 昭和44年5月13日 高島貨物駅にて P:堀井純一

【堀井さんから貴重な写真を提供して頂きました】