吉岡心平のマーク

タム9000形9000

私有貨車

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タム8900形
タム9100形

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特別編57
特別編59

積荷
●構造

入口


 時々、世間のトレンドより小型の車両を作るユーザーがある。特別編53で取上げたタキ300形4586や特別編48のタム5850形などがその好例だが、今回はLPガスの事例を紹介しよう。

 タム9000形は15トン積LPガス専用車で、一形式一両の珍車である。元々LPガスのメインストリームは、タム7100形15トン車から20トン積のタサ5400形(第17週参照)にスケールアップして来た。昭和38年にタンク材質として高張力鋼が採用されてからは、20トン車であるタサ5700形だけが製作されていた。ところが昭和41年12月日車本店で、初めて高張力鋼製タンク体を持つ15トン車として製作されたのが本車であった。

 外観・構造はタサ5700形の長さを短縮して荷重を5トン減としたもので、それ以上でもそれ以下でもない。タンク寸法で直径1,960mmはタサと同寸で、長さは12,148mmであった。
 台枠は長さ13,100mm・BC間距離9,800mmの平形で、台車はTR41Cであった。

 所有者は石油荷役KK・常備駅は塩釜埠頭で、増備の理由は不明だが、僅か1両の製作に留まったことを考慮すれば、プロピレンやブダジエン等の有機合成ガスの輸送用ではないかと思える。 小生が撮影した頃には浮島町を基地として使用されていた。高圧ガスタンク車の通例として、満15歳を迎えた昭和56年8月に廃車となった。


タム9000形9000の写真

【写真1058】 タム9000形9000 昭和51年8月22日 塩浜操駅にて P:吉岡心平


【特別編58】010524作成、021209本文修正、040110リンク追加+R4、050410R4A、070919R4A2、081018
R4BY、131022R4C。