吉岡心平のマーク

三井三池タト9

私有貨車


 三井三池シリーズの4回目は、趣向を変えて小型の2軸車を取上げる。

 タト9は三井三池最後の2軸タンク車と思われるものだ。写真の通り外観は近代的だがそれもその筈で、私有貨車のタム82がその前身である。

 タム82はタム80形クレオソート専用車の一員として、昭和26年9月日立で製作された。オーソドックスな上入れ下出しタンク車で、これと言った特徴に欠けるが、台枠側枠は戦後製にしては妙に細

く、上に鍔のついたタンク受台は当時の日立製の特徴であった。
 写真2に落成当時の写真を掲載したが、当時の「日立評論」誌にはタム200、2100形などと共に掲載されていたものである。

 落成時の所有者は三池合成工業KK・常備駅は大牟田で、所有者はその後三井化学工業KKとなった。ヨンサントウを前にした昭和43年7月に私有貨車から車籍除外されたが、その後は専ら線内用として使用されていたようである。


●同一形式 タム20080形20081(特別編79) 昭和24年習志野製作所製で、元タム80形81。


【特別編30】010301作成、010716リンク追加、010826写真1030の2追加、040203R4。

三井三池タト形9の写真

【写真1030の1】 三井三池タト9 昭和57年3月23日 宮浦駅にて P:吉岡心平

タム80形82の写真

【写真1030の2】 タム80形82 P:吉岡心平所蔵