吉岡心平のマーク

タキ7150形7150

私有貨車

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タキ7100三代形
タキ7200形

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特別編18
特別編20

積荷
●構造

入口


 私有貨車を手掛けたメーカーは多数あるが、作品が特定車種に偏っている会社も多い。例えば東洋工機と言えばエアスライドホッパ車を想起するが、同社製でも「タンク車」となれば、これだけで珍品と言えるのではなかろうか。

 タキ7150は昭和41年7月に東洋工機で製作された35トン積セメント専用車で、一形式一両であった。ホッパ車を得意とした同社がタンク車を製作した理由は、荷役方式としてタンク体に圧力を掛ける圧送方式を選択したためであった。

 タンク体は普通鋼製で、圧送時の内圧に耐えるためFV3タイプ異径胴を採用した。タンク直径は両端2,050mm・中央2,550mmで、長さは9,700mmであった。

 荷役方式はエアスライドだが、タンク体の上に一本ぽつんと見える安全弁こそ、圧送荷役を採用した証である。
 台枠は枕梁間の中梁を省略したタイプで、長さは10,500mm・BC間距離は7,200mmである。この種タンク車としては標準的な構造だが、同社製では珍しかったと見えて、詳細な強度試験を実施したようだ。

 落成時の所有者は小野田セメントKK・常備駅は厚木だったが、その後は特異車の宿命として昭和44年11月には石蟹、昭和51年8月には越中島とマイナーな基地を転々とした。昭和60年5月にはホキ7500形などと共に清水工業KKに売却されたが、結局半年後の11月に廃車となり、20年足らずの生涯を閉じた。


【特別編19】010205作成、021128本文修正、040131R4、070722R4A2、100418R4BY。

タキ7150形7150の写真

【写真1019】 タキ7150形7150 昭和60年7月20日 美濃赤坂駅にて P:吉岡心平