吉岡心平のマーク

ホキ5900形5901

私有貨車

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ホキ5800形
ホキ6000形

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[ロット表]


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特別編4
特別編6

積荷
●構造

入口


 「十人十色」ではエアスライドホッパ車を紹介したが、ホッパ車の中で最も珍妙なのは、何と行ってもカーバイト専用ホッパ車である。

 「ホッパ」と言うものの床面は平らで、取り出し口は側面にある。なぜこんな奇妙なカタチになったかと言えば、先般「私有貨車セミナー」で紹介したアルミナタンク車と同様に、私有貨車前史として長物車に仮設タンクを積み込んだ時代があったからである。ホキ6100形の項で紹介したように、一頃は隆盛を誇ったカーバイト専用車も、石油化学の伸張と共に廃車され、昭和51年以降はホキ6000形30トン車が5両残るだけになってしまったが、昭和57年に忽然と現れたのが今回紹介するホキ5900形であった。

 ホキ5901は34トン積カーバイト専用ホッパ車として、昭和57年5月川崎でタキ1500形15400から改造された。

 種車は35トン積の石油類専用車で、昭和37年川崎で落成後、エッソスタンダード石油で使用されていた。新形式となったのは改造車のため、荷重が34トンと半端となったためである。
 種車から流用したのは台枠以下の部分で、ホッパ等の上廻りはすべて新製した。車体は4室に仕切られており、各室毎に屋根に積込口・両側面に取出口がある。なおカーバイトは水を嫌うため、積込口・取出口は共に二重構造となっていた。写真で見えるのはいずれも外側のカバーである。

 所有者は日本陸運産業KKで、常備駅は種車時代の越後関原のままである。北陸の武生から近鉄養老線の西大垣間で運用されていたが、この時期カーバイト専用車を再び製作したのは、アセチレンガスの輸送が困難なためなのか、それともカーバイト自身を還元剤として用いたのか、謎はつきない。平成元年7月、6両揃って廃車となっている


ホキ5900形のロット表

ロット 番号 製造年 製造所 旧形式 旧番号 落成時の所有者
5900〜5905 S5703〜5706▲ 川崎 タキ1500 15411,15400,15410,15413,15415,15416 日本陸運産業KK

ホキ5900形5901の写真

【写真1005の1】 ホキ5900形5901 昭和57年7月17日 西大垣駅にて P:吉岡心平

ホキ5900形5902の写真

【写真1005の2】 ホキ5900形5902 昭和60年7月20日 稲沢操駅にて P:吉岡心平


【特別編5】001221作成、010720写真5の2追加、040228R4、050414R4A、081227R4BY、090522ロット表R3追加、140216R4C。