吉岡心平のマーク

三井三池タオ40

私有貨車


 久々に怪しいものを見つけたので、皆様にご覧に入れることにしよう。

 数多い私有貨車形式の中には、トップナンバーの消息が謎に包まれている形式がある。最近両数が急減してファンをやきもきさせているタキ300形濃硫酸専用車もその一つであった。なぜならタキ300形の300、301は昭和7年6月日車で製作されたが、落成から僅か6年後の昭和13年4月に突然除籍され、私有貨車の世界から忽然と姿を消してしまったからである。

 その後の消息は遥として知れなかったが、「日

車の車両史」(注)に細密図面が公開されるに及び、ようやく写真からの同定が可能となった。などと書くといかにも格好良いが、何の気なしに古い写真を見ていたら思わぬインスピレーションを得て、慌てて図面を調べたと言うのが真相である。

 ともあれ下に示すタオ40と、車両史掲載の図面にあるタキ300、301とは、極めて類似度が高い。特にタンク体自身とタンク受台、二分割されたセンタアンカ部、そして特徴あるタンク踏板の指示方法などは両者の一致を示す格好のポイントと言って良いだろう。どなたか、両者の関係を裏付ける資料をお持ちならば嬉しいのだが………


参考文献 日本車両鉄道同好部・鉄道史資料保存会編著 「日車の車両史 図面集−国鉄編上」 p.319 (1998)

三井三池タオ34(特別編92)   外部加熱管付の濃硫酸タンク車。

三井三池タオ42(特別編15)   昭和17年若松製。


【特別編4】001214作成、010127リンク追加、010130リンク追加、010930リンク追加、040228R4。

三井三池タオ40の写真

【写真1004】 三井三池タオ40 昭和50年3月3日 宮浦駅にて P:吉岡心平