吉岡心平のマーク

タキ18800形

私有貨車

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タキ18700形
タキ18810形

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[ロット表]


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図面編3
図面編5

積荷
●構造

入口


 今回紹介するのは、悲劇の形式である。

 タキ18800形25トン積液化クロルメチル専用車で、昭和45年10月富士重で1ロット4両が製作された。

 塩化メチルは諸外国ではポピュラーだが、我国タンク車で本形式が初めてかつ唯一の積荷であった。高圧ガスの一種で、物性的には塩化ビニルに類似し、液化時の比重は1.25である。用途はガソリンに添加するアンチノック剤原料であった。

 タンク体は高張力鋼製で、板厚は胴板11mm・鏡板14mm、寸法は直径1,960mm・長さ10,800mmと、タキ10150形を短縮したような作り

だ。外周には保冷用の厚さ75mmのグラスウール断熱材と薄鋼板製のキセがあり、法規制により「ねずみ色1号」に塗装されていた。
 荷役方式は、高圧ガスタンク車では標準的なマンホール弁方式であった。
 台枠は平形で、長さは11,300mm・BC間距離8,000mmであった。高圧ガスタンク車用台車にはTR207があったが、本形式はローコスト板としてTR213を唯一試用した点が目新しい。

 所有者は三井物産KK・常備駅は宮浦であった。落成はしたがガソリン無鉛化の流れもあり、実運用には就かなかった模様である。常備駅は昭和48年4月に茂原に変わり、翌5月にタキ18810形に改造され姿を消した。


【図面編4】040914作成R4、050503R4A。

タキ18800形の図面

【図4】 タキ18800形 図番FD0757