吉岡心平のマーク

タ1650形1650

私有貨車

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タ1600形
▼タ1700形

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ロット表


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第106週
第108週

積荷
●構造

入口


 「S酸肥液」輸送用のタム4800形については、特別編174で解説したが、今回はCD−ROM第13巻に収録した、タム4800形の改造車であるタ1650形を紹介しよう。
 味の素製造の際の副産物を、調製した上で液体肥料とした「S酸肥液」は、味の素の製法転換により昭和39年頃に生産が中止された。このため、これを輸送していたタム4800形6両は、誕生から10年にしてリストラの危機を迎えたのである。

 タ1650形は、このうちタム4804,05の2両を転用した形式で、種車の車体全体をそのまま用い、専用種別をアンモニア水に変更した。
 設計比重はS酸肥液の1.4に対し、アンモニア水は0.9と低く、このため荷重は10トンに減った。これに伴い、担バネ種別やブレーキ倍率等が変更さたが、タンク体や荷役方式は種車時代と全

く変わっていない。
 台枠も種車のものをそのまま用いたが、種車自身がタム100形1187の転用改造車のため、タンク体と比較して細く長くなっている。
 参考までにタム1187の車歴を記すと、タム1187初代が昭和和22年3月に産業設備営団(昭和電工KK貸渡)所有・扇町駅常備として車籍編入後、昭和25年9月に昭和電工KK所有となり、同時にタ3100形3116に改造、昭和27年12月にタム100形1187二代に再改造され、昭和29年5月にタム4800形4804の種車となっている。

 所有者は昭和電工KKで、常備駅は扇町であった。僚車の1651はヨンサントウで不適格となり、昭和43年9月末日付で廃車されたが、写真の1650は2段リンクに改造され、昭和49年12月まで生存していた。


●種車形式 タム4800形4800 昭和29年造機製のS酸肥液専用車。


タ1650形のロット表

ロット 番号 製造年 製造所 旧形式 旧番号 落成時の所有者
1650,1651 S3902▲ なし(専変) タム4800 4804,4805 昭和電工KK

タ1650形1650の写真

【写真107】 タ1650形1650 昭和49年2月27日 扇町駅にて P:吉岡心平

この写真は吉岡写真CD−ROM第12巻に「P00681」として収録されています。


【第107週】020915作成、040218R4、050412R4A、080202ロット表R3追加、090614R4BY、140111R4C。