吉岡心平のマーク

タム9600形9602

私有貨車

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タム9500形
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ロット表

タム9600

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第91週
第93週

●積荷
●構造

入口


 今回はCD−ROMに収録した1,000枚目の写真を紹介する。

 タム9600形16トン積LNG専用車は、我国で初めて製作された超低温タンク車であった。積荷は都市ガス用のブルネイ産天然ガスで、タンクローリーで日立市のガスプラントまで輸送していたのを、鉄道に誘致するため開発された。

 タム9602は昭和50年1月日車製で、量産タイプである第2ロット3両中の1両である。
 「魔法瓶タンク車」の愛称通り、タンク体は内外二重で、その間は真空になっていた。内タンクは低温用のステンレス鋼、外タンクは普通鋼製であった。内外タンク間の真空部にはドイツのリンケホフマン社から技術導入した荷重と衝撃を負荷する

支持機構があり、他の部分はパーライトが充填されていた。外タンク上部にある日除け板は、車端部にまとめられた荷役装置と相俟って、独特のヨーロッパ風の雰囲気を醸し出している。台車は本形式特有のTR211Eであった。

 所有者は東京ガスKK・常備駅は鶴見川口であった。鉄道輸送につきものの連結時の衝撃が災いしたようで、故障が多かったようである。昭和58年2月、貨物駅統廃合により常備駅は浅野となった。昭和62年1月に4両全車が廃車となった。

 なお低温液化ガスの専用車としては、本形式を改良したタラの他、TR223を履いた液化酸素専用のタキ、液化窒素専用のタサなど、様々な車両が計画されたが、全て泡沫の夢と終っている。


【第92週】020602作成、021022リンク追加、040505R4、050224R4A、070916R4A2、071014リンク追加、
090712R4BY。

タム9600形9602の写真

【写真92】 タム9600形9602 昭和50年7月20日 塩浜操駅にて P:吉岡心平