吉岡心平のマーク

タム7500形7500

私有貨車

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タム7400形
タム7550形

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[ロット表]


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第5週
第7週

積荷
●構造

入口


 アニリンは芳香族アミンの代表製品で、小生も学生実験でニトロベンゼンから合成した経験がある。染料などの原料として大量に消費されていたが、輸送には石油類専用車など鉄肌タンク車がそのまま使用可能なため、専用車として誕生した車両は数が少なかった。

 タム7500形はその第一号車で、一形式一両の珍車である。ステンレス製のタンク体が欲しかったため新形式となったようだ。当時のステンレス鋼は高価だったから、純度保持を要する積荷に転用する意図が、初めからあったものと推察される。

 タム7500は昭和35年2月富士重製。外観・構造は標準的なもので、ドラムカンルックのドーム頂部以外は特徴に乏しい。タンク体は普通鋼製だが

内面には厚さ2mmのステンレス薄板が貼り付けられていた。タンク直径は1,696mm・長さは6,896mmであった。模型ファンには、「アニリン液」と液の付いた標記の方がアピールするようだ。
 荷役方式は吐出管を用いた下出し方式である。 台枠は標準的な平形だが、長さ7,500mm・軸距4,500mmと長さに対して軸距が大きく、やや「がに股」の作りである。走り装置は落成時から2段リンク式であった。

 所有者は三井物産KKで、常備駅は東和歌山・紀三井寺と変遷したが、一貫して和歌山の染料メーカーである本州化学工業KKへの輸送に使用されていた。昭和58年1月、専用線廃止で前川駅に異動してからは、姿を見せることも少なくなり、昭和60年7月に廃車された。


【第6週】001007作成、020504リンク追加、020531リンク追加、030113本文修正、030201リンク変更、040111
R4、050414R4A、070710R4A2、080628R4BY。

タム7500形7500の写真

【写真6】 タム7500形7500 昭和49年6月 村田駅にて P:吉岡心平