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貨車写真館−009


タサ5600形5611

 

貨車写真館−008

貨車写真館−010

 

 

2002/3/14 作成


写真31 タサ5600形5611

昭和55年9月3日 草津

 わが国における過酸化水素のタンク車輸送は,南四日市を起点とした三菱瓦斯化学(株),岳南富士岡を起点とした東海電化工業(株),郡山を起点とした日本パーオキサイド(株)の3社により行われた。現在では,後者2社は鉄道輸送を廃止したため,三菱瓦斯化学(株)が唯一となってしまった。

 過酸化水素専用車は昭和37〜57年までにタム8000形,タサ5600形,タキ1150形,タキ7650形,タキ22800形の5形式73輌が製作された。この3社の中で過酸化水素専用車を最も多く保有していたのは誰れだろう。以外にも日本パーオキサイド(株)で,27輌を数えた。2位は三菱瓦斯化学(株)で26輌であるが,総荷重トン数からみれば三菱瓦斯化学(株)の595トンに対し,760トンと圧倒的であった。なお,平成3年に日本パーオキサイド(株)所有のタサ5607〜5609を三菱瓦斯化学(株)が購入したため,保有輌数トップは三菱瓦斯化学(株)となっている。

 さて,日本パーオキサイド(株)の過酸化水素専用車は,昭和41年に新製された20トン車のタサ5607〜5609が始まりで,翌年に本車を含むタサ5611〜5614の新製された。メーカーは富士重工で,以降の新製車はタキ22800形まですべて同一メーカーである。このため,外観・構造はアルミクラッド車を除けば,そっくりであった。

 このタサ5611は貨車写真館-007で紹介した,同じ過酸化水素専用車のタム8000形8011とドーム廻りの作りが大きく異なっている。ドーム頂部に全ての荷役装置,安全弁,通気口を集約させた三菱瓦斯化学(株)所有者に比べ,ドームは上部にフランジ構造のマンホールのみを設ける小さなものとし,荷役装置はドーム側面に設けた大型のフィルター付きフランジに接続され,さらに,S字管が設けられていた賑やかな構造である。ドーム廻りの構造は製造メーカーの個性,S字管はユーザーの好み(地上設備との関係)である。

 日本パーオキサイド(株)の過酸化水素輸送は,工場の立地条件から,北海道向けが主で,その他,浪速や桜島向けもあった。青函トンネル開通による連絡船廃止後は,危険品が海を渡れなくなり,北海道向け輸送が壊滅的打撃を受けた。その他,日本パーオキサイド(株)は過酸化水素の鉄道輸送を廃止しする。次の職場が見つかったタサ5607〜5609に対し,本車を含むタサ5611〜5614は平成6年に廃車された。

同一専用種別


写真館-007

  タム8000形8014

 

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