吉岡心平のマーク

タキ6000初代

私有貨車

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タキ5950形
タキ6000二代形

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[ロット表]


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図面編9
図面編11

●積荷
●構造

入口


 タキ6000初代形と聞いてどんな貨車か判る方は、かなりのタンク車通である。

 タキ6000初代形はわが国唯一の四塩化チタン専用車で、昭和32年7月日車支店で2両製作された。荷重は30トンであった。

 四塩化チタンは金属チタンの製造中間体として用いられる比重1.70の無色透明液体。鋼は腐食しないが、空気中の水分で分解し激しく発煙する。全体構造は濃硫酸タンク車に酷似するが、タンク容積は17.6mと、比重が低い分だけタンク体が拡大されている。

 タンク体は普通鋼製で、直径1,700mm・長さ

8,100mmであった。
 荷役方法は空気圧による上出し方式で、液出管と空気管はドーム側面に開口し、その外側に締切弁が取り付けられている。
 台枠は平形で、長さは9,000mm・BC間距離は5,700mmであった。ブレーキはKD+手、台車はTR41Cであったが、タキ300形に改造されてからTR41Dに再改造された。

 所有者は日本曹達KK・常備駅は能町であった。金属チタンの大需要先である米国の軍縮政策によるチタン価格が急落により、ユーザーの日本曹達は生産中止したため、落成から僅か7ケ月後の昭和33年4月にタキ300形4437,4438に転用改造され、本形式は形式消滅した。


タキ6000形初代の図面

【図10】 タキ6000初代


【図面編10】060215作成R4A、080127R4A2、100401R4B。