吉岡心平のマーク

タ1150形1151

私有貨車

 形式
索引

▲タ1100形
タ1200形

 番号
[ロット表]


 ページ
索引

特別編608
特別編610

●積荷
●構造

入口


 久々のリクエストにお答えして、タ1150形を紹介しよう。

 タ1150形は10トン積糖蜜専用車で、昭和24年7月に3両が製作された。
 本形式は我国で唯一の「牛乳専用車」であったタ1100形の台枠流用車とされるが、戦災復旧車と同様新製扱いで、改造所も不明である。

 種車となったタ1100形は、輸入したホーローライニングされたタンク体を国鉄苗穂工場製の台枠に搭載したもので、昭和5年9月に3両が車籍編入された。謎の多い形式で、10トン積にしてはタンク容積が小さいこと、図面には循環用のポンプ・配管と思われるものが見えること等、未だに未解明な点が多い。所有者は大日本乳製品KKから明治製菓KKを経て、戦時色の強まった昭和19年1月に3両まとめて廃車となっている。

 タ1150形は、遊休となっていたタ1100形の台枠に謎のタンク体を搭載した形式で、広義の戦災復旧車と言って良かろう。問題のタンク体は直径1,540mm・長さ4,680mmで、タ1100形より一回り大型だが、設計比重は約1.15と糖蜜の標準である1.33より低く、さりとて新品とも思えない。台枠との固定は時代錯誤の繋ぎ板式のようだが、これもタンク体の転用が原因だろうか。
 台枠は昭和5年苗穂製で、長さ5,500mm・軸距3,000mmと、当時の新車であるワ22000形のそれをパクったようだ。走り装置は高さ調整にコマを用いたシュー式で、製造時期と符合すると共に、タンク車への適用例は比較的珍しい。

 所有者は日本転載精糖KKで、常備駅は落成時の帯広から昭和27年12月に十勝清水に変わった。ヨンサントウは道外禁止のマルロとなって生き延び、昭和51年6月に3両揃って廃車となった。


●同一専用種別 タム22000形22002(特別編27) 同一所有者でこれまた謎の車両。タンク体はオランダ起因か?


【特別編609】050725作成R4A、070909R4A2、081002R4BY。

タ1150形1151の写真

【写真1609】 タ1150形1151 昭和46年9月18日 国鉄釧路工場にて P:堀井純一

【堀井さんから貴重な写真を提供して頂きました】