吉岡心平のマーク

タキ10850形10850

私有貨車

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タキ10800形
タキ10900形

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[ロット表]


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特別編475
特別編477

●積荷
●構造

入口


 液体を運ぶために作られたのがタンク車である。そこで固体の場合はなんらかの溶媒に溶かし、溶液とした上で輸送するが、「ニトロシル硫酸溶液」は、硫酸を溶媒とした稀有な例のひとつだ。

 タキ10850形は35トン積ニトロシル硫酸溶液専用車で、昭和52年11月日車で製作された。一専用種別一形式一両の珍車であった。
 積荷はニトロシル硫酸の硫酸溶液で、溶媒が硫酸だけに設計比重は1.79と大きい。
 タンク体は腐食防止のためステンレス(SUS316L)鋼製で、寸法は直径1.750mm・長さ9.040mmであった。面白いのは晶出時の取卸しを容易とするためか、タンク底部に箱型の外部加熱管

が追加されていたことだ。
 タンク踏板は強化型だったが、腐食が酷く、補修の際、一般形に更新されている。
 荷役方式は空気圧を用いた上入れ上出し式だが、配管・弁類は2個の円筒形プロテクタに収納されていた。このため、タンク体はドームレス構造にも拘らず、一見2個のドーム付のように見える。
 台枠は平型で長さ10,100mm、ブレーキ装置は手+積空、台車はTR225であった。

 所有者は日本陸運産業KK・常備駅は末広町だった。九州は大牟田地区から名古屋臨海へ運用されていたが、私有コンテナに転換される形で、平成11年1月に廃車となった。


■主要諸元
製造年   昭和52年11月
製造所   日車
設計比重 1.79
タンク容積 19.5m3
●上廻り
タンク形態 直円筒(S1)形ドームレス
タンク材質 ステンレス鋼(SUS316L)
タンク板厚 胴板6・鏡板8mm
タンク直径 1,750mm
タンク長さ 9,040mm

●荷役方式
荷役方式 上入れ上出し式
●下廻り
台枠形式   平形
長さ      10,100mm
BC間距離  6,800mm
留置ブレーキ 手
空気ブレーキ KSD180−254形
台車      TR225形

タキ10850形10850の写真

【写真1476】 タキ10850形10850 平成2年1月3日 汐見町駅にて P:吉岡心平


【特別編476】040310作成R4、050504R4A、070904R4A2、090115R4BY、140102諸元追加+R4C。