吉岡心平のマーク

タ1370形1372

私有貨車

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タ1300形
▼タ1400形

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ロット表


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特別編451
特別編453

積荷
●構造

入口


 タ1370形は12トン積希硫酸専用車で、最初の2両は新製車、残る一両は他形式からの改造車であった。今回紹介するのは改造車の方である。

 タ1372は昭和27年12月カテツ交通で、タム300形311を改造して誕生した。種車は大正12年12月新潟製の15トン積濃硫酸専用車で、落成時の車種は「硫酸槽車」で記号は「リ」、形式番号はリ2470形2477と称していたが、昭和元年12月に油槽車と硫酸槽車をまとめた「タンク車」の発足により形式はア2470形に変わり、昭和3年の大改番でタム300形311となった。

 タンク体は鋲接で、改造では内面を鉛で被覆した。同時にタンク内部にあった加熱管を撤去したため、鏡板下部にはこれを塞いだ跡がある。タンク固定はセンタアンカ方式だが、これはタム時代

に改造されたものと思われる。
 台枠はいかにも古風なもので軸距は3,000mm、当初空気ブレーキは無かったが、勾配線区に運用するため後天的改造で追加された。走り装置は一段リンク式であった。

 リ2474として落成時の所有者は東京硫酸KK・常備駅は錦糸町だった。会社名は昭和9年10月に東硫化学工業KK、昭和15年2月に保土ヶ谷化学工業KK、一方常備駅は昭和11年5月に新興となった。また専用種別は昭和19年5月に濃硫酸から発煙硫酸専用となった。戦争中は統制会社所有を経て、戦後は昭和24年5月に日本曹達KK所有・常備駅は大寺となり、専用種別も発煙硫酸単独から濃硫酸との併用となった。希硫酸への改造後も物がモノだけに寿命は短く、昭和36年3月に廃車となった。


タ1370形のロット表

ロット 番号 製造年 改造所 旧形式 旧番号 落成時の所有者
1370,1371 S0311 三池製作所 タキ8000 三井鉱山KK
1372 S2712▲ カテツ交通 タム300 311 日本曹達KK

タ1370形1372の写真

【写真1452】 タ1370形1372 P:吉岡心平所蔵


【特別編452】040105作成R4、050408R4A、070731R4A2、090210ロット表R3追加+R4BY、130704R4C。