吉岡心平のマーク

タサ3300形3303

私有貨車

 形式
索引

タサ3200形
タサ3400形

 番号
ロット表


 ページ
索引

特別編449
特別編451

積荷
●構造

入口


 タサ3300形は奇妙な形式だ。何故15トンのタムや30トンのタキとせず、半端な20トン積の小形ボギー車を新製したのだろうか。

 タサ3300形20トン積希硝酸専用車は、昭和25年に3両、同33年に1両が誕生している。
 最近の研究で、前者は三井三池の線内用タンク車を国鉄線直通のため車籍編入したものであること,三菱化成黒崎に運用されていたことが判った。今回紹介するタサ3303は純粋の新車だが、以上の事実からタサ3300〜02と共通運用するため、同一サイズの小型車を新製したものと考えられる。

 タサ3303は昭和33年2月三菱で、三菱化成最初の希硝酸専用車として製作された。増備車はタキ8100形に移行したため、1ロット1両であった。

 タンク体は腐食防止のためステンレス製となった。板厚は鏡板8mm・胴板6mmと薄く、寸法は直径1,635mm・長さ7,100mmといささか小形である。
 荷役装置は空気圧による上出し方式で、当初は空気管・液出管としてS字管が装備されていたが、写真撮影時はクロールスルホン酸の輸送に転用されていたため、配管やバルブ類は全て更新されている。
 台枠は平型で、長さ7,800mm・BC間距離4,500mmと、タンク車のBC間距離としては、現時点で判明しているデータでは最短と思われる。台車はTR41Cから第一次台車改造でTR41Dに改造された。

 所有者は三菱化成工業KK・常備駅は黒崎であった。昭和52年7月に廃車となった。


タサ3300形のロット表

ロット 番号 製造年 製造所 落成時の所有者
3300〜3302 S2511 若松 三井化学工業KK
3303 S3302 三菱 三菱化成工業KK

タサ3300形3303の写真

【写真1450】 タサ3300形3303 昭和49年3月 安治川口駅にて P:吉岡心平


【特別編450】031231作成R4、050408R4A、070904R4A2、071015ロット表R3追加、090311R4BY、130615R4C。