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シキ300形300A

私有貨車

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▲シキ290形
▼シキ310形

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[ロット表]


シキ300B

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特別編376
特別編378

積荷
●構造

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 今回は、皆様お待ちかねのシキ300A形を解説する。

 シキ300形は、昭和33年3月に日立で作られた4−6軸複式大物車。落成時から荷受梁は弓形梁と吊掛梁の2種が製作されたが、記号「A」・「B」で区別されるようになったのは、翌34年2月以降である。ここで取り上げるのは弓形梁式の車体で、荷重は175トン。その後の大形大物車は吊掛式一本となったため、結果的に我国最大の弓形梁式大物車となった。

 外観・構造は、6軸台車を採用したこと以外は至極まっとうな作りで、同じく日立が4年前に製作したシキ140形135トン車を、そのまま大型化したものであった。本車独特の構造としては、弓形梁

底部とレール面との間隔は通常450mmなのに対し、弓形梁の心皿部に突出した箱状部分を取り外すことで、これを200mmまで低下出来るようにした点が挙げられる。
 台車は4軸と6軸台車で、後者は我国最多軸数のレコードと思われる。重量軽減のため車輪径は800mmとし、担バネもスパンを短くして軸距を1,200mmまで短縮した。また6軸台車は第2,5軸以外は横動可能とし、更に第1,6軸のフランジを特殊形状として曲線通過を容易にしている。ブレーキは積空、自連緩衝器は油圧式であった。

 所有者はKK日立製作所・常備駅は日立であった。その後、常備駅は常陸多賀→日立→常陸多賀と変遷し、平成4年11月にA・B梁同時に廃車となった。


【特別編377】030503作成、040408R4、050430R4A、090601R4BY。

シキ300形300の写真

【写真1377】 シキ300形300A P:吉岡心平所蔵