吉岡心平のマーク

タキ18400形18400

私有貨車

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タキ18300形
タキ18500形

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[ロット表]


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特別編371
特別編373

●積荷
●構造

入口


 田村さんのリクエストはタキ18400形である。

 タキ18400形は30トン積ポリブテン専用車で、昭和45年4月日立で1ロット2両を製作したのが全てであった。
 積荷の「ポリブテン」は商品名ポリビス(10SH)で、イソブテンの重合体であった。水飴のような粘稠透明液体で潤滑油添加剤・絶縁油・粘着性付与剤、そして防水剤などに使用され、物性は極めて安定で引火性・腐食性・毒性はなかった。チューインガムのベースにも含まれていたようなので、我々も知らぬ間にお世話になったかも知れぬ・・・

 外観・構造はキセ付35系では標準的な形態で、設計比重は0.83・タンク容積は36.1m3と、タキ10400、15700、16200形などとほぼ同寸である。タンク体は腐食性がないため耐侯性高張

力鋼製で、寸法は両端直径1,850mm・中央直径2,300mm・長さ10,600mmであった。粘度を下げるため120℃に加熱して積込み、取卸温度は70℃を目標としたが、輸送時間によってはこれを下回るため、タンク内部には蒸気加熱管が、周囲には厚さ75mmのグラスウール製断熱材と薄鋼板からなる保温用キセがそれぞれ設置されていた。荷役方法は通常の下出し方式であった。
 台枠は35系標準で、ブレーキ装置は両側+KE形空気、台車はTR41Cであった。

 所有者は日本油脂の子会社である日油化学KKで、常備駅である武豊と鶴崎駅の間で運用されていた。写真は山陽本線の貨物列車に連結されている所を偶然キャッチしたもの。なお同社はポリブテン輸送用のタンクコンテナも所有していた。昭和58年12月に2両同時に廃車となった。


【特別編372】030423作成、031218R4、050409R4A、070801R4A2、080927R4BY。

タキ18400形18400の写真

【写真1372】 タキ18400形18400 昭和50年3月1日 四辻駅にて P:吉岡心平

何故か標記は「ポリブデン」?