吉岡心平のマーク

タ3100形3107

私有貨車

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タ3050形
▼タ3200形

 番号
[ロット表]


タ3125

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特別編349
特別編351

積荷
●構造

入口


 タム100二代形とその改造車については、かつて私有貨車セミナーで詳しく取り上げたが、今回は落穂の中でも貴重な逸品を紹介する。

 タ3100形は11トン積酢酸・無水酢酸専用車で、昭和22〜34年に26両がタム100二代形濃硝酸専用車から改造された。敗戦により余剰化した硝酸タンク車の活用策の一環であった。

 タ3107は昭和22年12月に15両改造された初回改造ロットの一両で、タム1118から改造された。種車は昭和18年8月日立製で、戦中製タム100形としては標準的な車両である。
 改造時の専用種別は「酢酸」で、実態は専用種別変更だったが、本車が変貌したのは、昭和25

年に保温用の熱絶縁が追加されたことによる。露出したドーム形状から判るように、タンク体自身はそのまま使用したようだ。タンク内部には加熱管が追加され、鏡板下部には奇妙な形の取出部が見える。その後、昭和34年3月には専用種別が「酢酸及び無水酢酸」に変更された。
 台枠以下は種車時代と変化ないが、走り装置はヨンサントウで2段リンク化されている。

 所有者は日本窒素肥料KK・常備駅は水俣で、会社名は昭和25年3月新日本窒素肥料KK、昭和40年チッソKKと変遷した。昭和41年3月から42年8月の間はチッソ石油化学KK所有・浜五井駅常備となったが、その後はチッソKK所有・水俣駅常備に戻り、昭和49年4月に廃車された。


【特別編350】030219作成、040521R4、050105リンク追加+R4A、070911R4A2、090608R4BY。

タ3100形3107の写真

【写真1350】 タ3100形3107 昭和48年6月3日 田端操にて P:遠藤文雄

【遠藤さんから貴重な写真を提供して頂きました】