吉岡心平のマーク

シキ115形115

私有貨車


 大物車には、一般には知られていない形式がまだまだ沢山ある。今回紹介するシキ115形もその一つだ。

 シキ115形は35トン積弓形梁式大物車で、昭和36年5月と39年10月に1両づつ製作された。メーカーは三菱であった。

 本車の特徴は、その低床面が低いことにあった。本形式の低床面高さはレール面上500mmで、国鉄シキ40形が690mm、シキ70形は695mmだから、これらより圧倒的に低い。ちなみにシサ1形の横梁部高さでも575mmだから、その低さが判ろうと言うものだ。また低床面長さも長く、5,700mmに達する。

 一方、低くて長い低床面を得た代償として支払ったものは、30トンを超える自重であった。シキ40や70形の倍以上であった。
 そこで本形式は、国鉄シキ500形をモチーフとした板台枠式の3軸台車を採用した。軸距は1400mm×2であった。
 台枠端部の作りも、両端を傾斜させて連結器を設置したところ等は、シキ500形の「まくら枠」廻りの処理と同一である。ところで不思議なのは、TR78台車を装備したシキ550形が一年前に誕生しているのに、これを採用しなかったことだ。

 所有者は三菱電機KK、常備駅は塚口であった。主に軽量嵩高品を輸送していたようだが、昭和61年11月に廃車となった。


大物車のガイド


【特別編295】021026作成、031216リンク追加、040428R4、050411R4A。

シキ115形115の写真

【写真1295】 シキ115形115 昭和45年10月6日 塚口駅にて P:堀井純一

【堀井さんから貴重な写真を提供して頂きました】