吉岡心平のマーク

三井三池タオ42

私有貨車


 特別編第4回で三井三池タオ40を紹介してから一月以上が経過した。掲載時は「こんなゲテ物」と思っていたが、あにはからんや思いのほか反響があり、いろいろな方からお便りを頂戴した。中でも、神奈川県にお住いの飯塚さんからは、次のような詳細なメールを頂いた。それによれば、三井三池の竣工図ではタオ40〜42は一頁にまとめられており、製造所は日本車両だが製造年は昭和17年で、タキ300形の生まれ年である昭和7年とは合わないとのことである。

 ご本人から承諾を頂いたので、メールの内容を転記すれば…「タオ40〜42号諸元  日本車輌 昭和17年 前所有者 三井化学(昭和39年8月29日付で三井化学玉名専用  鉄道から三池鉄道線に編入)  荷重 15トン 種別 重油  積載容積 18.50立方メートル  自重 13.66〜16.59トン  制動機 40号手用 41〜42号車側  寸法 連結器間 10420ミリ 最大幅 2450ミリ 最大高 3300ミリ  台枠長 7600ミリ(*) 台枠幅 2000ミリ  (*9600ミリの誤りでしょう)  タンク長 7700ミリ タンク径 1700ミリ レール面よりタンク中心間 1994ミリ  台車軸距 1775ミリ 台車間 5600ミリ 車輪径 860ミリ  連結器 自動連結器 連結器高 880ミリ
 竣工図表上、タンク車については欠落ページもありましたので(おそらく編集後に廃車されたもの)、タオ40号がどのような位置を占めるか

よく分からない部分もあります。しかし、重油15トン積み−ボギー車ということ、それに比べてタンク容積に余裕があることなどから、過去の種別変更が充分に想像できますが、残念ながら竣工図表に記事はありません(ちなみに18.5立方-15トンという関係はベンゾール車(タオ48〜49号)と一致します。 濃硫酸車は17.5立方-30トンという関係です)。諸元の限りでは、タキ300とは製造所が一? 致していますが、製造年は10年の開きがありますので、タキ300説に?が付きますが、同時製造のわりには自重差が大きく、制動機の不揃い等、首を傾げたくもなりますね。台車もこの時期のものとしては古すぎますが(TR16?)、大物車ヒオなどのボギー車に共通に用いていたように見えます。」 …とある。

 ところがタオ40と一緒に撮影したネガにあったタオ42の写真を見てみると、タオ40とは似ても似つかない車両である。竣工図のデータと比較すれば、プロポーション的にはタオ40が合致しており、タオ42は全長・BC間距離共に大分短いようだ。また貨車の先輩である堀井純一さんの情報によれば、タオ42には「昭和16年若松」の銘板が付いていたとの事である。いったいどれが正しいのだろうか?

 この謎についてご存知の方は、是非ご教示いただければ幸いである。


●同一形式 三井三池タオ34(特別編92) 外部加熱管付の濃硫酸タンク車。

        三井三池タオ40(特別編4)   タキ300形トップの改造と推定される車両。


【特別編15】010127作成、010930リンク追加、040806R4。

三井三池タオ形42の写真

【写真1015】 三井三池タオ42 昭和50年3月3日 宮浦駅にて P:吉岡心平