Tads(-x,-y,-z) ドイツ
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T 屋根開閉式貨車
a  4軸[2軸ボギー]
d 両側同時 又は片側選択
  高位置重力落下荷卸
(荷卸し途中停止可能)

s 積車最高速度100Km/h
-x 塩化カリウム輸送専用
-y ホッパ内面特殊塗装
-z Tdgsとして使用可能
 (ホッパ内面特殊塗装)
■Tads
 積車最高速度が100km/hで、両側面又は片側面の高位置から重力落下により荷卸し(途中停止可能)を行う機能を有する2軸ボギー屋根開閉式貨車(有蓋ホッパ車)である。
 形式番号(Technical characteristics )の上3桁は写真から判断すると081~083,933が割り当てられている。
 ドイツのTads形の形式番号は0819…0835が確認されている。 なお、TadsとTdgsは一般用と穀物専用との相違で構造は同一であり、ホッパ内面処理の種類と劣化状況により-xと-yのサフィックスが付与される。
★d,dd,l,ll,o,oo,p,ppの相違                        .
放出高さ
 d,l,o,p(top:高位置):レール面上0.7m以上の高さから放出およびベルトコンベア利用
 dd,ll,oo,pp(bottom:低位置):レール面上0.7m未満の高さから放出(荷卸)
放出方式
 l,ll,o,oo(bulK:全):放出を途中で止めることができない
 d,dd,p,pp(Controlled:制御):放出を途中で止めることが可能

   2022.12.12作成 2024.4.1更新
スウィングルーフ型屋根開閉式・上下二段可変流し板付側開き式有蓋ホッパ車
82.5m3-19.04m-4hopper
DB Tads 957形
31 80 0834 380-4 RIV D-DB Tads 957(手ブレーキ無) 撮影:福田孝行 2023.5.19 Flughafen BER-Terminal 5(ドイツ)
国-所有者 ドイツ DB        ■相互運用性 31 ■形式番号 0819 撮影済番号380(1輌)
DB Tads-z 957形、957.4形
31 80 0819 809-1 RIV D-DB Tads-z 957.4(手ブレーキ無) 撮影:福田孝行 2019.5.24 Gremberg操車場(ドイツ)
31 80 0819 853-9 RIV D-DB Tads-z 957(手ブレーキ有) 撮影:福田孝行 2019.5.24 Gremberg操車場(ドイツ)

31 80 0819 861-2 RIV D-DB Tads-z 957.4(手ブレーキ無) 撮影:福田孝行 2019.5.24 Gremberg操車場(ドイツ)
国-所有者 ドイツ DB        ■相互運用性 31 ■形式番号 0819 撮影済番号805…884(16輌)
形式図 出典:https://gueterwagenkatalog.dbcargo.com/katalog/nach-gattung/Tads-y-957-5851212#
S(100km/h)荷重37.5~38.0t(A 軸重16t) ~ 53.5~54.0t(C 軸重20t) ★★(指定線区120km/h)
自重26.1~25.9t 容積82.5m3 全長19.04m 積込口(開放時)14.614×1.2m BC間距離14.00m
走り装置:Y25形(両抱式)UIC貨車標準台車(車輪径920mm)
ホッパ数:4 側扉:8 開閉式屋根:スウィング式ルーフ 荷卸し方式:上下二段可変流し板付側開き式(手動操作) 
 ドイツの鉄道貨物輸送会社DB CARGO(撮影当時はDB Schenker Rail)(所有者コードDB )所有の底開き式有蓋ホッパ車で、2軸車のTdsをストレッチボギー化した構造である。製造初年は1985年で、DBでは957形は穀物輸送用のTadgsが多く製造されたが内部コーティングの劣化により、非穀物・食品用(ドロマイト、無煙炭、石膏石、石灰、木質ペレット、石油コークス、カオリン、およびパラフィンなど)の Tadsに変更された。このなかで比較的コーティングが良好のものをTads-yとしたと推測される。また、DBでは21世紀になるとTadgsをTadsに変更し穀物専用形式Tadgsを廃止ようになり、DB 957形のTadgsは2012年頃に廃止され、穀物輸送代用車であるTads-zがこの頃から登場している。Tads-z 957形は800~990の番号が与えられている。
 車体は上半分を多角形とし下半分を逆三角形とした断面形状で、線路方向に4つのホッパに分割されている。
 上部には車体長さのスウィング式の積込口蓋(開閉式屋根)が設けられ、前側(手ブレーキがある側またはブレーキシリンダが右側にある側)の片妻に設けられた丸ハンドルを操作し積込口蓋開閉軸を駆動して屋根を左側に開閉する。片方の妻からの駆動だけで積込口蓋を開閉すると捻れるため反対側の妻側からも連動して開閉させる装置が設けられている。これを「積込口開閉連動装置」と呼ぶ。その詳細は、右車体受台内側に設けられた積込口蓋水平駆動軸とチェーンにより丸ハンドルの操作力を反対側の屋根開閉軸に伝達し、両側の積込口蓋開閉軸を同期させて積込口蓋を開閉させる機構となっている。また両妻面には、駆動時に積込口蓋の重量とバランスして少ない駆動力で開閉できるようにする円筒形筒に覆われたバネが設けられている。積込口蓋開放時には1.2m幅の開口部が車体全長(約14.6m)にわたってホッパ上部の円弧に沿って開き、積荷を積み込む。
 前・中前・中後・後の4つのホッパ底にはそれぞれ左右に側扉が設けられ、これを開け積荷を重力落下させ、左右に設けられた角度可変のシューター(流し板)から積荷を排出する。シューターは上下2段構造である。側扉はデッキに設けられたレバーの操作により開閉する。レバーは前後のデッキ左右に2本ずつ計8本設けられ、それぞれ前・中前・中後・後の4つのホッパの各左右の側扉を個々に開閉することができる。このためレバー操作軸から延長された底扉駆動軸は側扉を開閉する駆動パイプと、そのバイブの中を通り左側の側扉を開閉する駆動軸が設けられている。シューター(流し板)は真下方向とと斜め横方向の2段階に可変することができ、そのための操作機構が側梁に設けられている。
 台枠は平台枠であるが中梁はホッパと緩衝するため枕梁間を無くしていると推測され、多数の穴の開いた車体受台により車体と台枠一体構造となり垂直荷重および連結方向の力を負担していると考えられる。基礎ブレーキ装置は空気ブレーキKE-GP406、補助(留置)ブレーキ装置は手ブレーキを有している車輌と無しの車輌があり、写真から判断すると手ブレーキ無しの方が多いようである。
DB Tads 958形
31 80 0819 162-5 RIV D-DB Tads-y 958 撮影:福田孝行 2019.5.24 Gremberg操車場(ドイツ)
国-所有者 ドイツ DB        ■相互運用性 31 ■形式番号 0819 撮影済番号318…514(2輌)
DB Tads-y 958形、958.2形
31 80 0819 152-6 RIV D-DB Tads-y 958.2 撮影:福田孝行 2019.5.24 Gremberg操車場(ドイツ)
31 80 0819 162-5 RIV D-DB Tads-y 958 撮影:福田孝行 2019.5.24 Gremberg操車場(ドイツ)
国-所有者 ドイツ DB        ■相互運用性 31 ■形式番号 0819 撮影済番号152…162(2輌)
形式図 出典:https://gueterwagenkatalog.dbcargo.com/katalog/nach-gattung/Tads-y-957-5851212#
 DB 958形は、1976~1979年に穀物用のTadgsとして製造され、その後内部コーティングの劣化により徐々に非穀物用のTadgs-yに変更され、2004年までには廃車された車輌を除けば全車TadsおよびTads-yに変更された。
 外観構造および基本寸法は同一で、相違点は形式図からは、角度可変のシューター(流し板)の寸法が変更されている事が分かる。
DB Tads-z 958形、958.2形
31 80 0819 116-1 RIV D-DB Tads-z 958 撮影:福田孝行 2019.5.24 Gremberg操車場(ドイツ)
31 80 0819 160-9 RIV D-DB Tads-z 958.2 撮影:福田孝行 2019.5.24 Gremberg操車場(ドイツ)
国-所有者 ドイツ DB        ■相互運用性 31 ■形式番号 0819 撮影済番号116…195(11輌)
形式図 出典:https://gueterwagenkatalog.dbcargo.com/katalog/nach-gattung/Tads-y-957-5851212#
 DB 958形は、1976~1979年に穀物用のTadgsとして製造され、その後内部コーティングの劣化により徐々に非穀物用のTadgs-yに変更され、2004年までには廃車された車輌を除けば全車TadsおよびTads-yに変更された。さらに2011年からは穀物輸送代用車であるTads-zが順次Tads-yから変更された。
 外観構造および基本寸法はTads 957形同一で、相違点は形式図からは、角度可変のシューター(流し板)の寸法が変更されている事が分かる。また、31 80 0819 160-9の写真から車体受台内側にある積込口蓋水平駆動軸の位置が若干高くなり、車体受台内側外側に設けられている底扉駆動軸の上側奥に見える。
DB Tads 961形
31 80 0835 053-6 RIV D-DB Tads 961 撮影:福田孝行 2019.5.24 Gremberg操車場(ドイツ)
31 80 0835 082-5 RIV D-DB Tads 961 撮影:福田孝行 2019.5.24 Gremberg操車場(ドイツ)
国-所有者 ドイツ DB        ■相互運用性 31 ■形式番号 0835 撮影済番号012…170(18輌)
形式図 出典:https://gueterwagenkatalog.dbcargo.com/katalog/nach-gattung/Tads-y-957-5851212#
 DB 961形は、Tadgs 958形の一部を2003~2007年に微粉末輸送に対応するため側扉シールを特殊なものに交換して誕生した形式である。積荷は石英砂、粉末ドロマイト、粉末無煙炭、石膏などである。
 外観構造および基本寸法は側扉シール以外Tads 958形から変化はない。
80m3-21.64m-4hopper
DB Tads 960形、960.1形
31 80 0834 067-7 RIV D-DB Tads 960 撮影:福田孝行 2019.5.25 Porz(Rhein)(ドイツ)
31 80 0834 226-9 RIV D-DB Tads 960.1 撮影:福田孝行 2019.5.24 Gremberg操車場(ドイツ)
国-所有者 ドイツ DB        ■相互運用性 31 ■形式番号 0834 撮影済番号011…261(8輌)
形式図 出典:https://gueterwagenkatalog.dbcargo.com/katalog/nach-gattung/Tads-y-957-5851212#
S(100km/h)荷重39.5t(A 軸重16t) ~ 55.5t(C 軸重20t) ★★(指定線区120km/h)
自重24.4t 容積80.0m3 全長21.64m 積込口(開放時)16.80×1.2m BC間距離16.60m
走り装置:Y25形(両抱式)UIC貨車標準台車(車輪径920mm)
ホッパ数:4 側扉:8 開閉式屋根:スウィング式ルーフ 荷卸し方式:上下二段可変流し板付側開き式(手動操作) 
 DB 960形は、1973~1977に製造されたTadgs 959形の一部を2003~2006年に微粉末輸送に対応するため側扉シールを特殊なものに交換して誕生した形式である。積荷は石英砂、粉末ドロマイト、粉末無煙炭、石膏などである。
 外観構造はTads957形、958形と同様であるが、全長が2.6m、車体(ホッパ)長が2.186m長くなているが、容積は2.5m3減少している。外観上は角度可変のシューター(流し板)の形状が台形状から長方形状となり、車体受台の四角い穴の数が異なり、積込口開閉連動装置が一般的な積込口蓋左側の車体内部に水平駆動軸を設けこれを開閉軸とリンクで接続する構造となっている。
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