Tad フィンランド
【HOME】 【欧州の貨車】 ▲前の形式 ▼次の形式
T 屋根開閉式貨車
a  4軸[2軸ボギー]
d 両側同時 又は片側選択
  高位置重力落下荷卸
(荷卸し途中停止可能)
■Tad
 両側面又は片側面の高位置から重力落下により荷卸し(途中停止可能)を行う機能を有する2軸ボギー屋根開閉式貨車(有蓋ホッパ車)である。
 フィンランドのTadはUIC番号を持たない42000番台が付番されたVR TRANSPOINT所有車が該当する。
★d,dd,l,ll,o,oo,p,ppの相違                        .
放出高さ
 d,l,o,p(top:高位置):レール面上0.7m以上の高さから放出およびベルトコンベア利用
 dd,ll,oo,pp(bottom:低位置):レール面上0.7m未満の高さから放出(荷卸)
放出方式
 l,ll,o,oo(bulK:全):放出を途中で止めることができない
 d,dd,p,pp(Controlled:制御):放出を途中で止めることが可能

   2022.12.19作成 2023.1.17誤記訂正
スウィングルーフ型屋根開閉式・流し板付側開き式有蓋ホッパ車
50m3-15.00m-2hopper
42053-9 VR Tad 撮影:佐藤浩樹 2013.8.15 Turku(フィンランド)
42148-7 VR Tad 撮影:佐藤浩樹 2013.8.15 Turku(フィンランド)
形式図 出典:VR車輌カタログ(HPより)
■撮影済番号 VR 42044…42148(18輌)
荷重56.4t 自重23.6t  容積50.0m3 全長15.00m 積込口(開放時)8.99×1.2m BC間距離9.40m
台車:板側枠板ばね(両抱式)台車(軸距2,000mm 車輪径 不明)
ホッパ数:3 側扉:6 開閉式屋根:スウィング式ルーフ 荷卸し方式:流し板付側開き式 
 フィンランド鉄道グループの貨物物流会社VR transpoint(所有者コードVR)所有の側開き式有蓋ホッパ車で、流し板により軌間両側または片側に荷卸しする。
 車体は上部が半円で側面を平面とし下部を逆三角形とした断面形状で、線路方向に2つのホッパに分割されている。
 車体上部には車体長さのスウィング式の積込口蓋(開閉式屋根)が設けられ、前方の妻面に設けられた空気圧シリンダ駆動により左側に開閉する。片方の妻からの駆動だけで積込口蓋を開閉すると捻れるため反対側の妻側からも連動して開閉させる装置が設けられている。これを「積込口開閉連動装置」と呼ぶ。その詳細は、右側面に設けられた駆動軸と両端のリンクにより空気シリンダ駆動力を反対側の屋根開閉軸に伝達し、両側の積込口蓋開閉軸を同期させて積込口蓋を開閉させる構造となっている。積込口蓋開放時には1.2m幅の開口部が車体全長(9.99m)にわたってホッパ上部の円弧に沿って開き、積荷を積み込む。また両妻面には、駆動時に積込口蓋の重量とバランスして少ない駆動力で開閉できるようにする円筒形筒に覆われたバネが設けられている。
 前・後2つのホッパ底左右には側扉が設けられ、これを空気シリンダ駆動により開け積荷を重力落下させ、シューター(流し板)から積荷を排出する。また、ホッパ傾斜面4面には空気駆動バイブレーターが各1個づつ設けられ、荷卸し時に使用される。屋根開閉・底扉開閉・バイブレーターの操作は片側のデッキに設けられた操作盤で行う。台枠は側梁・端梁・中梁・横梁からなる平台枠構造であるが、中梁はホッパが落とし込まれる部分が無い構造としている。
 台枠と車体とはトラス状の部材により固定されている。基礎ブレーキ装置は空気ブレーキ。補助(留置)ブレーキ装置は手ブレーキであるが、その位置と構造は他に類を見ないもので車体左側面の前側妻にハンドルが有り、その駆動軸が斜め下に車体中央に斜めに通っていて、リンクによりブレーキシリンダ水平テコに作用するものである。
【HOME】 【欧州の貨車】 ▲前の形式 ▼次の形式