貨車銘板研究室−021

協三工業

昭和43年改造 協三工業 福島(ヨ5000形14801)

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2002/7/30 作成

■社名・工場の変遷

昭和15年2月1日 創立 [個]協三工業 福島工場
昭和17年3月30日 設立 (株)協三工業 福島工場
平成5年 移転  

■ 昭和43年改造 協三工業 福島 写真113

 現在でも蒸気機関車の製造を行っている奇跡的なメーカーで,平成5年まで福島駅前の福島機関区裏に工場を構えていた東北地方唯一の鉄道車輌メーカーで有る。現在も生業中であるが貨車の製造は行っていない。協三工業は昭和15年に浅野久雄,信雄兄弟と義弟である斎藤捨治の3兄弟によりより創立された。社名は,戦国武将毛利元就が3子に与えた一族団結を説く「三本の矢」に由来する。

 協三工業株式外会社「年表と製品」(http://www.kyosankogyo.co.jp/)によると,創業当時には0.5トン積木製トロや1トン積木製炭車を製造していたようで,貨車とは縁の深い会社であった。戦後直ぐには産業用蒸気機関車の製造で発展し,昭和27年からは国鉄貨車の製造に参入し,数多くの貨車を送り出してきた。

 この改造銘板は,ヨ5000形14801のもので,昭和43年に行われた走り装置の2段リンク式改造時のものである。私有貨車の2段リンク化改造は国鉄工場で行われているが,国鉄貨車は,国鉄工場の処理能力の関係と,輌数も多く標準構造であることから,車輌メーカーに外注した例も多い。

 ヨ14801は,昭和31年に輸送機工業でヨ3500形4801として新製された。ヨ3500形は1段リンク式ながら担いばねに長く柔らかい板ばねを使用しているため,振動特性が良く最高速度は75km/hであった。その後昭和34年に初のコンテナ特急「たから号」用の車掌車として,ヨ3500形を2段リンク構造に設計変更したヨ5000形が新製され,最高速度が最高速度85km/hに引き上げられた。ヨンサントオでは,貨物列車の最高速度が65km/hから75km/hに引き上げられ,多くの1段リンク式走装置を履いた貨車は2段リンク式へ改造された。ヨ3500形も,一部を除いて2段リンク化されることになり,旧番号に10000をプラスし,ヨ5000形となった。

写真114 ヨ5000形14801

昭和57年5月16日 隅田川

協三の銘板


銘板-021

昭和43年 協三工業 福島 改造    ヨ5000形14801

銘板-022

昭和55年 協三工業 福島

無線操縦20t貨車移動機

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