福田孝行の貨車ホームページ |
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昭和町では,かつて,貨車の解体が行われことがあった。昭和56年6月7日に昭和町を訪れたときに,そのショッキングな光景を目撃した。写真68で,既に解体されているのはタキ5410,その奥はタキ5409である。鉄道広報によると両車は昭和56年4月30日付けで車籍除外されていた。奥のタキ5409もまもなく解体されている。 手前の台車の右側に見える鉄板はキセの一部で,記号・番号(タキ5410)部分が切り抜かれ,残っていた。タンク体はすでになく,鉄屑業者が持ち去った後らしい。 タキ5400形は,昭和32年に登場したタム2300形の後継車で,タンク体にボイラ用鋼板(SB42)を用いていた。液化塩素タンク車の決定版は,タンク体を高張力鋼(HT55,HT60)に変更したタキ5450形となったため,本形式は昭和40年までに,僅か15輌が製造されたに過ぎない。 タキ5409は昭和34年に,タキ5410は昭和35年に,三菱で新製された。生粋の東亞合成化学工業所有者であるが,常備駅は名電築港→昭和町→伏木と移った後,昭和51年に昭和町へ戻ってきた。そして5年後に廃車となった。車令22年,21年であった。
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