福田孝行の貨車ホームページ |
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私が写真を撮り始めた昭和55年当時,「タ」はタ2000形とタ3900形を除き,殆ど見ることができなくなっていた。タ4000形も番号表にはあるが,見ることができない形式のひとつであった。それが,ある日,友人から海山道にタ4000形が出現したとの情報がもたらされ,撃墜に向かった成果がこの写真である。 当時,長らく三菱油化の構内で眠っていたものを,構内の線路を廃止するため,塩浜から長く延びる専用線上に引き出したもので,写真の右側は既に線路が無くなっていた。 車輌は,キセがぼろぼろで穴が開き,中の断熱材が覗いていたことが思い出される。 タ4000形は昭和36年に登場した,わが国初のスチレンモノマー専用車で,荷重は僅か10トンである。昭和36年当時,わざわざ10トン車を新製する例が無く,誕生の経緯は謎に満ちている。 タンク体はステンレス鋼製で,外周には厚さ100oのグラスウール製保冷材が設けられ,大型のドーム頂部はマンホールになにやら怪しげな配管や弁類が設置され,賑やかである。また,タンク歩み板は点対称にタンク端まで延びており,模型向きな外観である。 その後,運用につくこともなく,昭和59年3月末で車籍除外された。 |
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