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コキ50000形58029

JR貨車


 昭和60年の車掌車廃止によりコキフ50000形はその役目を終え、車掌室を撤去してコキに改造されることになった。この際問題となったのは、乗り心地改善のため空気バネ台車に改造されていたコキフ51000番台の取り扱いである。これは改造で履いたTR203S台車は12トン軸を用いていたため、コキとした場合は荷重制限を要することが理由であった。
 そこで、TR203台車装備のままコキに改造した車両は荷重を28トンとし、番台を分けて区別することとした。こうして昭和62〜63年度に190両のコキフ50000形51000番台が、コキ58000番台の58000〜33,50〜162,164〜205に改造された。欠番となった58034〜49と58163の16両は、種車が指令変換弁を装備したコキフ251000番台だったため生じたもので、これ等は同様にコキ258000番台に改造されている。

 コキ58029は昭和63年JR貨物郡山で、コキフ50000形51188から改造された。

 荷重は28トン・最高運転速度は95km/hで、積載可能コンテナは20フィート2個ないし12フィート4個である。改造では車掌室を撤去し、その部分に12・20フィート用緊締装置を追加した。なお識別のため両端の20フィート用緊締装置は黄緑色に塗装されている。

 JR貨物創始期のリリーフとして活用されたが、荷重制限の原因になっているにも拘らず保守コストの高いTR203台車の装備が致命的となり、コキ・コキフ10000形とコキフ59000番台と共に早期廃車の対象となった。平成4年度から廃車が始まり、平成6年度に番台消滅した。写真のコキ58029は平成6年度に廃車となった。


【JR貨車027】051216作成R4。


コキ50000形58029の写真

【写真3027】 コキ50000形58029 平成元年2月8日 東京貨物ターミナル駅にて P:吉岡心平