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コキ50000形350019

JR貨車


 JR貨物発足後の目玉商品として、63−3改正では東京タ〜東広島間に最高速度110km/hのスーパーライナーを運転することになった。JR貨物期待のコキ100系コンテナ車は、いまだ開発途上にあったため、ショートリリーフとして登場したのが、今回取り上げる350000番台である。

 コキ50000形350000番台は、昭和62年10月〜昭和63年2月にかけて45両がJR貨物の6工場でコキ50000形一般形より改造された。担当工場と両数は、輪西9・郡山2・新小岩11・名古屋2・広島17・小倉4の各工場で、種車は特定の製造時期・製造所に拘らず、無作為に選ばれた。また250000番台改造とは異なり、旧番号に関係なく350000から付番されている。

 荷重は37トン・最高運転速度は110km/hで、積載可能コンテナは30フィート2個/20フィート3個ないし12フィート5個である。

 改造点はブレーキ装置の改良だったため、車体は改造前と変らず、長さは19,600mm・BC間距離は14,200mmである。
 ブレーキ装置は、従来のCL形空気を電磁併用のCLE形に改造した。このため車体内には電磁弁が追加されたが、外観的な変化は制御線と本空気溜管の引き通し追加と、小型のコック操作穴の追加程度と軽微である。台車はブレーキ梁やすきま調整器が強化されたTR223Cとなった。
 塗色はイメージアップのため従来の赤3号から黄かん色に変更されたが、落成時は担当工場毎にさまざまな塗装があった事を知るファンは少ない。今回、堀井さんから提供頂いた貴重な写真を2〜6として示すので、玩味頂ければ幸いである。

 花形だった時代はコキ100系の登場により短く、一時期はコキ250000形にダウングレードする話もあったようだが、最近では主に梶ヶ谷〜末広町間のゴミ列車に使用されているようだ。


【JR貨車012】050319作成R4、090207廃車追加。


コキ50000形350000番台の改番対照表 ■年度別両数変遷

No. 番号 旧番号 改造 廃車 No. 番号 廃車 改造 廃車
350000 52482 S6210輪西 H1903 26 350025 51810 S6211広島 H1903
350001 51550 S6210輪西 H1903 27 350026 50680 S6211広島 H1903
350002 50396 S6210輪西 H1903 28 350027 50735 S6211広島 H1903
350003 51602 S6210輪西 H1903 29 350028 51990 S6211広島 H1903
350004 51337 S6302輪西 H1903 30 350029 51598 S6212広島 H1903
350005 52460 S6302輪西 H1903 31 350030 50331 S6212広島 H1903
350006 52452 S6302輪西 H1903 32 350031 50455 S6212広島 H1903
350007 50297 S6302輪西 H1903 33 350032 53084 S6301広島 H1903
350008 50575 S6302輪西 H1903 34 350033 53057 S6301広島 H1903
10 350009 50378 S6210郡山 H1903 35 350034 52278 S6301広島 H1903
11 350010 50842 S6210郡山 H1903 36 350035 52779 S6301広島 H1903
12 350011 50633 S6210新小岩 H1903 37 350036 52785 S6301広島 H1903
13 350012 51857 S6210新小岩 H1903 38 350037 51925 S6301広島 H1903
14 350013 52533 S6211新小岩 H1903 39 350038 52044 S6301広島 H1903
15 350014 50776 S6211新小岩 H1903 40 350039 52202 S6302広島 H1903
16 350015 51617 S6211新小岩 H1903 41 350040 51702 S6302広島 H1903
17 350016 51467 S6211新小岩 H1903 42 350041 51389 S6210小倉 H1903
18 350017 52413 S6211新小岩 H1903 43 350042 51227 S6210小倉 H1903
19 350018 53005 S6212新小岩 H1903 44 350043 51607 S6210小倉 H1903
20 350019 51553 S6212新小岩 H1903 45 350044 51916 S6210小倉 H1903
21 350020 51995 S6212新小岩 H1903 41 350034 52278 S6301広島 H1903
22 350021 51360 S6212新小岩 H1903 42 350035 52779 S6301広島 H1903
23 350022 51947 S6211名古屋 H1903 43 350036 52785 S6301広島 H1903
24 350023 51991 S6211名古屋 H1903 44 350037 51925 S6301広島 H1903
25 350024 50027 S6210広島 H1903 45 350038 52044 S6301広島 H1903

コキ50000形350019の写真

【写真3012の1】 コキ50000形350019 昭和63年5月4日 東京貨物ターミナル駅にて P:吉岡心平

東広島行スーパーライナーに使用されていた花形時代の写真。積載されたコンテナが時代を偲ばせる。

コキ50000形350000の写真

【写真3012の2】 コキ50000形350000 昭和62年12月31日 東京貨物ターミナル駅にて P:堀井純一

【堀井さんから貴重な写真を提供して頂きました】

昭和62年10月輪西でコキ52482を改造、車体はダイダイ色に近く、標記と台車は黒。

コキ50000形350018の写真

【写真3012の3】 コキ50000形350018 昭和62年12月31日 東京貨物ターミナル駅にて P:堀井純一

【堀井さんから貴重な写真を提供して頂きました】

昭和62年12月新小岩でコキ53005を改造、後にこの塗色が標準となった。

コキ50000形350024の写真

【写真3012の4】 コキ50000形350024 昭和62年12月31日 東京貨物ターミナル駅にて P:堀井純一

【堀井さんから貴重な写真を提供して頂きました】

昭和62年10月広島でコキ50027を改造、車体は輪西と同じダイダイ色で、標記は白、台車は黒。

コキ50000形350024の写真

【写真3012の5】 コキ50000形350025 昭和62年12月31日 東京貨物ターミナル駅にて P:堀井純一

【堀井さんから貴重な写真を提供して頂きました】

昭和62年11月広島でコキ51810を改造、コキ350024とは標記は黒になった点が異なる。

コキ50000形350024の写真

【写真3012の6】 コキ50000形350043 昭和62年12月31日 東京貨物ターミナル駅にて P:堀井純一

【堀井さんから貴重な写真を提供して頂きました】

昭和62年11月小倉でコキ51607を改造、標準塗装に近いが台車が黒に塗られている。