吉岡心平のマーク

チキ900JRF形1

JR貨車

Lv2


 JR貨物に移行後、30フィートコンテナ輸送が増加してきたが、その荷役にはトップリフター等の高価な機械が必要であった。また貨車〜トラック間の積替えの際、振動・衝撃が大きいこともインターモーダル輸送の弱点であった。
 これらの欠点を解消するため、いすず自動車が開発したのが「スライドヴァンボディ・システム」で、略称は「SVS」、その骨子はトラックの荷台部分をワイヤ牽引によりスライドさせ、貨車に積替えるものであった。

 チキ900形は、SVS輸送の試作車として、昭和63年広島車両所で、コキ50000形52074から改造された。

 積荷は、30フィートのスライドヴァンボディ2個で

試作のため、1個積は考慮されていなかったようである。
、車体上に積降しの際、ボデイを滑らせるための「すべり板」とボディの緊締装置、そしてボディを牽引するためのワイヤと滑車装置が設置された。なお、ボディ牽引の動力はトラック側に設置された油圧ウインチである。
 塗色は青22号に変更され、車体中央には白色の「SVS」ロゴが入れられた。
 下廻りは種車のままで、最高運転速度は95km、ブレーキ装置はCL形空気ブレーキ・台車はTR223であった。

 あくまで試作車で、営業輸送には使用されなかったようである。晩年は新興などに留置されていたが、復元されることなく廃車となった。


【JR貨車007】050223作成R4。


チキ900JRF形の製造年度別番号表 ■年度別両数変遷

番号 改造年月 改造所 種車形式 種車番号 廃車
S6303 広島車両所 コキ50000形 52074 H1209

チキ900JRF-1の写真

【写真3007の1】 チキ900JRF形1 平成元年2月5日 東京貨物ターミナル駅にて P:吉岡心平

チキ900JRF-1の写真

【写真3007の2】 チキ900JRF形1 昭和63年4月24日 東京貨物ターミナル駅にて P:吉岡心平

チキ900JRF-1の「SVS」ロゴ写真

【写真3007の3】 「SVS」ロゴ 昭和63年4月24日 東京貨物ターミナル駅にて P:吉岡心平