吉岡心平のマーク

クキ1000JRF形14

私有貨車

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クム1001JRF形

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ロット表


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特別編486
特別編488

積荷
●構造

入口


 今回は、短命に終わったタンクローリーピギーバック用の貨車を取り上げる。
 バブル期に案出されたアイデアのひとつに、タンクローリー輸送の弱点であった都心の渋滞を回避するため、セミトレーラー形ローリーの荷台部分を貨車輸送する「タンクローリーピギーバック」があった。本形式はこのために開発された車両で、荷重を44トンと極大化することで、20キロリットル形ローリーは2台、14キロリットル車は3台出来るように設計されていた。

 クキ1000JRF形44トン積車運車は、平成3〜4年に20両製作された。メーカーは全て日車であった。

 クキ1000−14は5ロットあるうちの最終ロットで、平成4年9月製の12〜20の一員である。余談だが、トップナンバーは試作車として製作されたため、細部が異なっていた。

 外観・構造は写真のように独特のもので、車体=台枠となっていた。車両限界の制約から、車体上面より落し込んで積載する必要があり、積卸しは自走ではなく専用の荷役機械により行なうこととした。このためローリーのタイヤを積載する側梁部は、弓形梁式大物車のように低くなり、一方車輪と干渉しない中梁部は、通常の車両のように貫通している。
 「突放禁止」扱いのため留置ブレーキは手ブレーキとしたが、スペースの関係から通常の丸ハンドルではなくラチェット式を採用した。空気ブレーキはESD形、台車はFT−1Cであった。

 所有者は日本石油輸送KK・常備駅は浮島町であった。日本石油根岸発のタンクローリーを横浜本牧駅で貨車積みし、専用列車で新座などへ運用されていたが、登場から僅か4年後の平成8年10月に全車廃車となりファンを驚かせた。理由は運用コストが高かったためと言われている。h


【特別編487】040430作成R4、050423R4A、090414R4BY、090615ロット表R3。


クキ1000JRF形のロット表

ロット 番号 製造年 製造所 落成時の所有者
H0308 日車 日本石油輸送KK
2〜6 H0310〜0311 日車 日本石油輸送KK
7〜11 H0404 日車 日本石油輸送KK
12〜20 H0409 日車 日本石油輸送KK

クキ1000JRF形14の写真

【写真1487】 クキ1000JRF形14 平成7年8月16日 横浜本牧駅にて P:吉岡心平