Tagnpps スイス
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T 屋根開閉式貨車
a  4軸[2軸ボギー]
g 穀物輸送用
n 最大荷重>60t
pp 軌間内
  低位置重力落下荷卸
(荷卸し途中停止可能)

s 積車最高速度100Km/h
■Tagnpps
 荷重がカテゴリーの定義を超える(60t超え)軌間内に低位置から重力落下により荷卸し(途中停止可能)を行う機能を有する穀物・小麦粉等バラ積み食品輸送用の2軸ボギー屋根開閉式貨車(有蓋ホッパ車)である。
 形式番号(Technical characteristics )の上3桁は写真から判断すると066、076が割り当てられている。ドイツのTagnpps形の形式番号は0664が確認されている。
★d,dd,l,ll,o,oo,p,ppの相違                        .
放出高さ
 d,l,o,p(top:高位置):レール面上0.7m以上の高さから放出およびベルトコンベア利用
 dd,ll,oo,pp(bottom:低位置):レール面上0.7m未満の高さから放出(荷卸)
放出方式
 l,ll,o,oo(bulK:全):放出を途中で止めることができない
 d,dd,p,pp(Controlled:制御):放出を途中で止めることが可能

   2023.1.21作成 2023.2.8修正
ヒンジ式積込口蓋・放出方向可変ノズル付底開き式有蓋ホッパ車
96.5m3-20.00m-5hopper(5chamber)
31 85 0664 016-4 RIV CH-SBBC Tagnpps CACAO(カカオ豆) 撮影:福田孝行 2019.5.26 Köln West(ドイツ)
31 85 0664 068-5 RIV CH-SBBC Tagnpps Getreide(穀物) 撮影:福田孝行 2019.5.22 Pratteln(スイス)
31 85 0664 070-1 RIV CH-SBBC Tagnpps Oelsaaten(油糧種子) 撮影:福田孝行 2019.5.22 Pratteln(スイス)
国-所有者 スイス SBBC        ■相互運用性 31 ■形式番号 0664 撮影済番号010…196(16輌)
形式図 出典:SBBC貨車カタログ
S (100km/h)荷重40.5t(A 軸重16t)~58.5t(C 軸重20t)~66.5t(D 軸重22.5t)
自重23.5t 容積96.5m3(21.7+17.7+17.7+17.7+21.7m3の5室構造) 全長20.00m BC間距離14.96m
走り装置:Y25形(両抱式)UIC貨車標準台車(車輪径920mm)
ホッパ数:5(完全に分離された5室構造) 底扉:5 開閉式屋根:ヒンジ式蓋(5個) 荷卸し方式:放出方向可変ノズル付底開き式
 スイス連邦鉄道の貨物部門である鉄道貨物輸送会社Schweizerische Bundesbahnen SBB Cargo(所有者コードSBBC)所有の穀物輸送用の底開き式有蓋ホッパ車である。SBBC貨車カタログによると、穀物専用の061A形、カカオ豆専用の842A形、油糧種子(胡麻、菜種など油を得るための種子)専用の062A形、砂糖専用の843Aがあり、このうち3種類を撮影している。この専用種別は車体左右に色別のステッカーで貼られ、穀物専用は黄色、カカオ豆専用は赤茶色、油糧種子専用は緑色と色でも区別されている。また、本形式は積込口が長方形のヒンジ式であり、屋根が車体全長わたって開くわけはないので屋根開閉式貨車Tに区分するのは無理があり、同様な構造の形式が多数見られる特殊貨車Uに区分されるべきであると考えられる。
 車体は上部が台形、左右側面が平面、下部が逆三角形としたエッジが立った7角形断面で、線路方向に5つのホッパに分割され、かつ各ホッパ間は隔壁で隔てられ完全に分離され5室構造となっている。このため各室事に異なる積荷を積載することも、1室から5室まで5通りの積載が可能となっている。ただし、前後の荷重バランスから前から部屋をNo1からNo5とすると、No3、No2+No4、No2+No3+No4、No1+No2+No4+No5、No1+No2+No3+No4+No5の積み方となる。外観的には、七角形の骨張った断面と7本の補強環が特徴である。
 車体上部には1室に付き1個、長さ2.2m幅0.6mの四角い積込口蓋が設けられ、ヒンジとなっている片側を軸に開く構造になっている。
 5つのホッパ底には底扉と斜め下へ放出できる旋回機構付のノズルを設け、ノズルを任意の角度に旋回させて軌間内・軌間外へ荷卸し方向を可変できる。底扉はバタフライ弁式と推測され、側梁下に設けた丸ハンドルで開閉する。旋回機構付のノズルの回転操作は写真からは不明である。
 台枠は平台枠であるが中梁は底扉と緩衝するため枕梁間を無くしていると推測され、車体と台枠が一体構造となり垂直荷重および連結方向の力を負担していると考えられる。基礎ブレーキ装置は空気ブレーキで、補助(留置)ブレーキ装置は前側デッキに設けられている。
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