Tadns オーストリア
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T 屋根開閉式貨車
a  4軸[2軸ボギー]
d 両側同時 又は片側選択
  高位置重力落下荷卸
(荷卸し途中停止可能)
n 最大荷重>60t

s 積車最高速度100Km/h
■Tadns
 荷重がカテゴリーの定義を超える(60t超え)、両側面又は片側面の高位置から重力落下により荷卸し(途中停止可能)を行う機能を有する2軸ボギー屋根開閉式貨車(有蓋ホッパ車)である。
 形式番号(Technical characteristics )の上3桁は写真から判断すると083が割り当てられている。オーストリアのTadns形の形式番号は0838が確認されている。
★d,dd,l,ll,o,oo,p,ppの相違                        .
放出高さ
 d,l,o,p(top:高位置):レール面上0.7m以上の高さから放出およびベルトコンベア利用
 dd,ll,oo,pp(bottom:低位置):レール面上0.7m未満の高さから放出(荷卸)
放出方式
 l,ll,o,oo(bulK:全):放出を途中で止めることができない
 d,dd,p,pp(Controlled:制御):放出を途中で止めることが可能

●ÖBB、RCW、RCの関係
 オーストリア連邦鉄道Österreichische Bundesbahnenは1992年に政府系公社から国有の特殊会社に転換後、2005年に旅客・貨物・施設2社・ITおよび労務の5社に分割され、これら5社の持ち株会社としてÖBBホールディング会社の組織となった。貨物部門はRail Cargo Austria AGとなった。さらにRail CargoグループとしてはRail Cargo Austriaで運用する貨車の保有・管理会社としてRail Cargo Wagonが設立され、全車Rail Cargo Austria AGへリースされている。以上のことから、貨車の所有者標記にはÖBBまたはRCWのどちらかが標記されているが、所有はRail Cargo Wagon(所有者コードRCW)であり、運用はRail Cargo Austriaとなる。
   2022.12.25作成 2023.1.17誤記訂正
スウィングルーフ型屋根開閉式・上下二段可変流し板付側開き式有蓋ホッパ車
80m3-21.64m-4hopper
31 81 0838 233-0 RIV A-RCW Tadns 撮影:佐藤浩樹 2018.8.14 Linz Hbf(オーストリア)
31 81 0838 421-1 RIV A-RCW Tadns 撮影:佐藤浩樹 2018.8.14 Linz Hbf(オーストリア)
国-所有者 オーストリア RCW   ■相互運用性 31 ■形式番号 0838 撮影済番号095…421(4輌)
形式図 出典:https://www.railcargo.com/de/dam/jcr:df423355-6798-4305-8d98-10b638a92d25/tadns-0838.pdf
S(100km/h)荷重38.5t(A 軸重16t)~56.5t(C 軸重20t)~64.5t(D 軸重22.5t)
自重25.5t 容積80.0m3 全長21.64m 積込口(開放時)16.8×1.2m BC間距離16.60m
走り装置:Y25形(両抱式)UIC貨車標準台車(車輪径920mm)
ホッパ数:4 側扉:8 開閉式屋根:スウィング式ルーフ 荷卸し方式:上下二段可変流し板付側開き式(手動操作) 
 オーストリアの貨車レンタル会社Rail Cargo Wagon(所有者コードRCW)所有の底開き式有蓋ホッパ車で、0838 000~496の497輌が製造された。積荷は非穀物用の雨濡れを嫌う粉末状の積荷の輸送に使用される。
 車体は上半分を多角形とし下半分を逆三角形とした断面形状で、線路方向に4つのホッパに分割されている。
 車体上部には車体長さのスウィング式の積込口蓋(開閉式屋根)が設けられ、前側(ブレーキハンドルのある側)の妻に設けられた丸ハンドルを回して右側に開閉する。片方の妻からの駆動だけで積込口蓋を開閉すると捻れるため反対側の妻側からも連動して開閉させる装置が設けられている。これを「積込口開閉連動装置」と呼ぶ。その詳細は、積込口蓋左側の車体内側に設けられた駆動軸と両端のリンクにより丸ハンドルの操作力を屋根開閉軸に伝達し、両側の積込口蓋開閉軸を同期させて積込口蓋を開閉させる構造となっている。また両妻面には、駆動時に積込口蓋の重量とバランスして少ない駆動力で開閉できるようにする円筒形筒に覆われたバネが設けられている。積込口蓋開放時には1.2m幅の開口部が車体全長(16.8m)にわたってホッパ上部の円弧に沿って開き、積荷を積み込む。
 前・中前・中後・後の4つのホッパ底にはそれぞれ左右に側扉が設けられ、これを開け積荷を重力落下させ、左右に設けられた角度可変のシューター(流し板)から積荷を排出する。シューターは上下2段構造である。側扉はデッキに設けられたレバーの操作により開閉する。レバーは前後のデッキ左右に2本ずつ計8本設けられ、それぞれ前・中前・中後・後の4つのホッパの各左右の側扉を個々に開閉することができる。このためレバー操作軸から延長された駆動軸は側扉を開閉する駆動パイプと、そのバイブの中を通り中央より側扉を開閉する駆動軸が設けられている。シューター(流し板)は真下方向とと斜め横方向の2段階に可変することができ、そのための操作機構が側梁に設けられている。
 台枠は平台枠であるが中梁はホッパと緩衝するため枕梁間を無くしていると推測され、多数の穴の開いた車体受台により車体と台枠一体構造となり垂直荷重および連結方向の力を負担していると考えられる。基礎ブレーキ装置は空気ブレーキ、補助(留置)ブレーキ装置は手ブレーキである。
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