Tadgs ハンガリー(GySEV)
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T 屋根開閉式貨車
a  4軸[2軸ボギー]
d 両側同時 又は片側選択
  高位置重力落下荷卸
(荷卸し途中停止可能)
g 穀物専用

s 積車最高速度100Km/h
■Tadgs
 積車最高速度が100km/hで、両側面又は片側面の高位置から重力落下により荷卸し(途中停止可能)を行う機能を有する穀物・小麦粉等食品輸送用2軸ボギー屋根開閉式貨車(有蓋ホッパ車)である。
 形式番号(Technical characteristics )の上3桁は写真から判断すると082が割り当てられている。ハンガリー(GySEV)のTadgs形の形式番号は0823が確認されている。
★d,dd,l,ll,o,oo,p,ppの相違                        .
放出高さ
 d,l,o,p(top:高位置):レール面上0.7m以上の高さから放出およびベルトコンベア利用
 dd,ll,oo,pp(bottom:低位置):レール面上0.7m未満の高さから放出(荷卸)
放出方式
 l,ll,o,oo(bulK:全):放出を途中で止めることができない
 d,dd,p,pp(Controlled:制御):放出を途中で止めることが可能

●国コード43とは
国コード43はUICコードが国別になる前の名残で、オーストリア=ハンガリー帝国時代の1872年に設立された鉄道会社であり、戦後オーストアとハンガリーが分離独立したことにより路線は2カ国にまたがることになった。UIC国コードは当初鉄道別であったことからハンガリー国鉄は55、Györ-Sopron-Ebenfurti Vasut鉄道は43とされ、その後の国別コードとなった後でも43は変更されず使用されている。
   2022.12.21作成 2023.1.17誤記訂正
スウィングルーフ型屋根開閉式・上下二段可変流し板付側開き式有蓋ホッパ車
85m3-21.64m-4hopper
33 43 0823 008-8 RIV H-GYSEV Tadgs 撮影:佐藤浩樹 2011.6.14 Gremberg操車場(ドイツ)
33 43 0823 037-7 RIV H-GYSEV Tadgs 撮影:佐藤浩樹 2011.6.14 Gremberg操車場(ドイツ)
国-所有者 ハンガリー GYSEV    ■相互運用性 33 ■形式番号 0823 撮影済番号008…037(5輌)
S(100km/h)荷重35.4t(A 軸重16t)~51.4t(C 軸重20t)~61.4t(D 軸重22.5t)
自重28.6t 容積85m3 全長21.64m BC間距離16.50m 走り装置:Y25形(両抱式)UIC貨車標準台車(車輪径920mm)
ホッパ数:4 側扉:8 開閉式屋根:スウィング式ルーフ 荷卸し方式:上下二段可変流し板付側開き式(手動操作) 
 ハンガリーとオーストリアにまたがって運営されている総合鉄道会社Györ-Sopron-Ebenfurti Vasut Részvénytarsasag(所有者コードGYSEV)所有の穀物・小麦粉等食品輸送用側開き式有蓋ホッパ車で、流し板により軌間両側または片側に荷卸しする。 本形式は最大荷重が61.4tと60tを超えているため、UICのルールではTadgnsとすべきである。
 車体は上半分を多角形とし下半分を逆三角形とした断面形状で、線路方向に4つのホッパに分割されている。
 車体上部には車体長さのスウィング式の積込口蓋(開閉式屋根)が設けられ、前側(ブレーキハンドルのある側)の妻に設けられた丸ハンドルを回して右側に開閉する。片方の妻からの駆動だけで積込口蓋を開閉すると捻れるため反対側の妻側からも連動して開閉させる装置が設けられている。これを「積込口開閉連動装置」と呼ぶ。その詳細は、積込口蓋左側の車体内側に設けられた駆動軸と両端のリンクにより丸ハンドルの操作力を屋根開閉軸に伝達し、両側の積込口蓋開閉軸を同期させて積込口蓋を開閉させる構造となっている。また両妻面には、駆動時に積込口蓋の重量とバランスして少ない駆動力で開閉できるようにする円筒形筒に覆われたバネが設けられている。積込口蓋開放時には1.2m幅の開口部が車体全長(約14.6m)にわたってホッパ上部の円弧に沿って開き、積荷を積み込む。
 前・中前・中後・後の4つのホッパ底にはそれぞれ左右に側扉が設けられ、これを開け積荷を重力落下させ、左右に設けられた角度可変のシューター(流し板)から積荷を排出する。シューターは上下2段構造である。側扉はデッキに設けられたレバーの操作により開閉する。レバーは前後のデッキ左右に2本ずつ計8本設けられ、それぞれ前・中前・中後・後の4つのホッパの各左右の側扉を個々に開閉することができる。このためレバー操作軸から延長された駆動軸は側扉を開閉する駆動パイプと、そのパイプの中を通り中央寄りの側扉を開閉する駆動軸の二重構造となっている。シューター(流し板)は真下方向とと斜め横方向の2段階に可変することができ、そのための操作機構が側梁に設けられている。
 台枠は平台枠であるが中梁はホッパと緩衝するため枕梁間を無くしていると推測され、多数の穴の開いた車体受台により車体と台枠一体構造となり垂直荷重および連結方向の力を負担していると考えられる。基礎ブレーキ装置は空気ブレーキ、補助(留置)ブレーキ装置は手ブレーキである。
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