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貨物列車と
構内風景
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2016/9/6 東糖文化創意産業園区(台湾)

〜 高温多湿の台湾で朽ち果てる古典木造有蓋車 〜

 2011年11月に台東に初めて宿泊した時に偶然泊まったホテルの横は旧台糖台東廠で、この中に8輌の木造有蓋車が保存され、倉庫の間に押し込まれていることをNo.142でレポートした。いつかその貨車を撮影したいと思いながらgooglearthを眺めていたらその貨車が屋外で展示されていることを2年ほど前に発見し、やっと今回訪問することができた。

 保存車は旧製糖工場の線路(すべて3ft6in)上に3カ所に分かれて展示されていた。しかしである。高温多湿多雨の台湾での木造有蓋車の屋外保存は、こうも劣化が早くすすむものかと思うほど朽ち果て、屋根が崩落し、扉が脱落して左内の羽目板が崩れている悲惨な状態が何輌かあった。

 

 洪値文著「台湾鐵道印象」上、236〜238ページの解説から旧台鐵の形式を推測すると、守車改造が4輌含まれていて、現車を見ると払い下げ後に窓を木板で塞いだ跡が良く分かる状態であった。

台糖 東110010 旧台鐵14C4050形

台糖 東110011 旧台鐵3CK900形を有蓋車に改造

台糖 東110013 旧台鐵3CK900形を有蓋車に改造

台糖 東110015 旧台鐵10C160形

台糖 東110016 旧台鐵6CK600形を有蓋車に改造

台糖 東110017 旧台鐵6CK600形を有蓋車に改造

台糖 東110018 旧台鐵10C160形

台糖 東110019 旧台鐵10C1100形または10C1300形 

 

明記以外の撮影者:福田孝行

  写真S−1074 木々に囲まれて佇む2輌の木造有蓋車
  写真S−1075 少し離れて6輌の木造有蓋車とニブロクゲージの平車が展示されている
  写真S−1076 ニブロクゲージの平車達はサブロクゲージの線路に無造作に置かれていた。
  写真S−1077 台糖 東110010 旧台鐵14C4050形
 旧台糖台東糖廠保存車輌では1輌のみ。14C4050形は1920年に12噸と14噸積みに増噸改造された有蓋貨車で、寸法は10C1100形と同一のようだ。本車は屋根が完全に崩落しているが反対側側面もこちら側と同様完全な姿を保っている。
  写真S−1078 台糖 東110011 旧台鐵3CK900形を有蓋車に改造
 旧台糖台東糖廠保存車輌では2輌がこのタイプ。 昭和3年に「旅客手荷物緩急車」から改造された有蓋緩急車(守車)3CK900形(戦後台湾独立後の形式)が種車が、窓を塞いで有蓋車としている。 この車輌は屋根を含めて完全な姿を保っている。
  写真S−1079 台糖 東110013 旧台鐵3CK900形911を有蓋車に改造。
 この車輌も屋根を含めて完全な姿を保っている。
  写真S−1080 台糖 東110015 旧台鐵10C160形
 10C160形は1903(明治36)年に汽車会社および北廠で新製された10トン積有蓋車(後の10C160形)。明治期の木造有蓋車の生きた化石である。本社は屋根が完全に崩落し、反対側は扉が脱落している悲惨な状態である。
  写真S−1081 台糖 東110016 旧台鐵6CK600形を有蓋車に改造
 6CK600形は10C1200形から改造された有蓋緩急車で、払い下げ後に窓を塞いで有蓋車としている。奇しくも元の有蓋車の形態に戻ったことになる。 この車輌は屋根を含めて完全な姿を保っている。
  写真S−1082 台糖 東110017 旧台鐵6CK600形を有蓋車に改造。
 この車輌は反対側の扉が脱落し、写真の側の最上部の扉羽目板1枚が脱落しているぐらいでその他は比較的完全な姿である。
  写真S−1083 台糖 東110018 旧台鐵10C160形
 ここで展示されている車輌中最も悲惨な姿である。写真の側はまだ良い方で、反対側は見るも無惨な姿である。
  写真S−1084 台糖 東110019 旧台鐵10C1100形または10C1300形
 旧台糖花蓮廠では、このタイプが最も多かったが、ここではこの1輌だけである。状態は比較的良い。
  写真S−1085 台糖 4211−14276
  写真S−1086 台糖 4211−14279
  写真S−1087 台糖 4211−14282
  写真S−1088 台糖 4213−02635
  写真S−1089 修理?中の台糖東110019
  写真S−1090 ホテルの窓から見た旧台糖台東廠跡

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