貨車写真館−053

  
2006/7/10 更新

タキ8350形8357

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 タキ8350形8357

1981(S56)/5/1石巻港  

 前回に引き続いて旭ダウ(株)所有のラテックス専用車を紹介する。

 「貨車写真館ー052のタキ8302と何となく似ている。」と感じる方もいると思う。その筈で,本車のタンク体内径,長さ,台枠長さはタキ8302と同じ寸法で,キセの作りとドームの作りも同じなのである。違いは,タンク体をステンレス製にし,タンク体の固定を締金方式から押さえ金方式とし,補助(留置)ブレーキを手ブレーキから両側ブレーキへ変更していることである。まあ,この違いはタンク車技術発達史的には相当大きいのだが,タンク体と全体の印象が強いのだろう。 

 旭ダウ(株)の前身であるダウケミカルインターナショナルリミテッドは,昭和40年にタキ8301〜8304の4輌を新製し,翌41年に3輌を増備した。この増備では,純度保持のため,従来の内面コーティングした普通鋼製タンク体をステンレス製のタンク体に設計変更し,形式もタキ8350形と変更され,8350〜8352として落成した。このロットは,締金方式と手ブレーキ付きのため,タキ8300形と外観は全く同一であった。同社は昭和42〜44年まで毎年増備を重ね8353〜8357が車籍編入された。ここまでは全車東急車輌製であった。

 昭和48年には旭ダウ(株と社名変更し,昭和57年には旭化成工業(株)に吸収合併された。平成18年現在,今なお現役である。 

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