吉岡心平のマーク

津軽鉄道タム500形501

私有貨車

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特別編168
特別編170

●積荷
●構造

入口


 私有貨車の末路は鉄屑と相場が決まっているが、中には私鉄に買い上げられ、第二の人生を送った幸運な車両もある。今回取り上げた津軽鉄道タム501もそのひとつで、事業用車として使用すべく、タム500形の廃車を購入したものである。

 種車のタム2848はタム500形15トン積ガソリン専用車で、昭和31年4〜5月に日車支店で、2835〜74の40両が一挙に作られた巨大ロットの一員である。日石輸送・日車のコンビによるタム500形の最多製作グループに属するため、外観と構造は同形式で最も普遍的なものとなっている。

 小生は私鉄貨車に詳しくないので、許認可関係の日付は、その道の権威である大幡さんにお尋ねした。その結果、津軽鉄道での竣工日は昭和59年11月1日とのことである。

 また導入の理由は文献1)に詳しく、従来タンク車輸送していた燃料を、国鉄貨物の廃止でトラック輸送に切り替えた際、五所川原にある車庫近傍は道路の便が悪かったため、途中駅の津軽飯詰で本車に積替え、五所川原の貯蔵タンクまで輸送するために購入したとある。ところがその後、車庫周辺の道路が整備され、直接タンクローリーが入れるようになったため、実際に使われたのは短期間だったようだ。写真撮影時にメモした全検標記も「63−3津鉄機」と、昔のままとなっている。

 種車時代の所有者は日本石油運送KK・常備駅は沼垂だったが、登場から4ケ月後の昭和31年8月に秋田港常備となった。昭和32年6月、社名は日本石油輸送KKとなり、昭和46年8月、常備駅は中島埠頭に変わった。昭和58年11月に廃車となり、その後第二の人生を踏み出している。


●参考文献 岸由一郎 「現有私鉄概説・津軽鉄道」;鉄道ピクトリアル636号(1997年4月臨時増刊)p.137


【特別編169】020221日作成、020611リンク追加、020708リンク追加、021213リンク変更、040420R4、050331
R4A、090626R4BY。

津軽鉄道タム500形501の写真

【写真1169の1】 津軽タム500形501 平成12年5月27日 五所川原駅にて P:吉岡心平

タム500形2848の写真

【写真1169の2】 タム500形2848 昭和55年5月4日 焼島駅にて P:吉岡心平

私有貨車時代の写真。