吉岡心平のマーク

トキ80000形80000

私有貨車

 形式
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▲ケト900形
トキ25000JRF形

 番号
[ロット表]


 ページ
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特別編167
特別編169

●積荷
●構造

入口


 た〜いへんお待たせしたが、ようやくトキ80000形を取り上げることにしよう。

 国鉄所有の物資別適合貨車に、トキ22000形という大型の板ガラスを輸送するための貨車があった。ところが同形式は、トキ15000形の改造車だったため、輸送できるガラスの寸法が制限された。このため私有貨車として増備されたのが本形式である。

 トキ80000は昭和48年5月、80001は同年10月にそれぞれ日車で製作された。車体中央には積荷を落し込むための長さ10,100mm・幅1,600mm・深さ795mmの低床部があり、台枠は枕梁間が省略されている。r即ち落し込み式大物車のウエル部に床を追加した構造で、無蓋車でなく大物車に類別するのが正当であった。無蓋車とした理由は定かではないが、先輩形式がトキだった(これもたまたま種車がトキだったので、これに倣った)ためではないかと思われる。

 低床部の周囲にはトキ25000形と同型のあおり戸・妻板があるが、車体としては機能していない。まさかトキにするためとも思えないが・・・
 車体から上に突き出た12本の突起は、板ガラスを固定するための枠である。なお自連緩衝器は大容量のゴム緩衝器だったが。後に入換時の積荷破損で命脈を絶たれたことを考えれば、大容量の油圧ないしシリコン緩衝器を採用すべきであった。

 所有者は日本板硝子KK・常備駅は京葉臨海の椎津であった。成瀬さんからの情報によれば、日本板硝子の工場間輸送として椎津・松尾寺・四日市港の各駅間を運用されていたようである。連結時の衝撃等による破損事故が多かったようで、某駅での入換失敗による積荷の全損事故をきっかけに使用が中止されたとの事だ。晩年は郡山にある日石輸送のヤードで長期留置されていたが、昭和59年4月に2両揃って廃車となった。誕生から11年の短い命であった。


●参考文献 私有無蓋車トキ25000形が登場! 私有貨車セミナー第71回第二部(RM189号)


【特別編168】020220作成、040420R4、050331R4A。

トキ80000形80000の写真

【写真1168の1】 トキ80000形80000 昭和59年3月4日 吉原駅にて P:吉岡心平

トキ80001と一緒に、解体のため吉原へ送られてきた際の写真。

トキ80000形80001の写真

【写真1168の2】 トキ80000形80001 昭和52年3月29日 笠寺駅にて P:成瀬公一

【成瀬さんから貴重な写真を提供して頂きました】

トキ80000形80000部分の写真

【写真1168の3】 トキ80000形80000と80001の連結部 昭和59年3月4日 吉原駅にて P:吉岡心平

廃車回送のためとは言え、トキ80000形が2両揃った写真は、稀有なのではなかろうか。

トキ80000形80000部分の写真

【写真1168の4】 トキ80000形80000の部分 昭和59年3月4日 吉原駅にて P:吉岡心平

一段高くなった手ブレーキ操作部など、ホキ2200形に良く似た構造である。