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昔のフィルムから 020

1980(S55).12.14 岳南鉄道須津駅

 岳南鉄道に乗車しタキ20300形35トン積ペースト剤専用タンク車を撮影するため須津駅へ向かった。須津駅にはホームに「並行して長さ100mの播磨化学工業(現:ハリマ化成)の専用線があり、タキ20300形を見ることができた。ペーストサイズ剤は紙のインキ滲みを防止する耐水性向上剤のことで、昭和22年設立の播磨化学工業では加古川工場(現:加古川事業所)にて粗トール油(松脂油)から製紙用サイズ剤を製造していた。播磨化学工業で生産されるサイズ剤の最大の顧客は大昭和製紙で、昭和34年には大昭和製紙工場近く(比奈駅と岳南富士岡駅の中間の南側)に富士工場を開設しサイズ剤の製造・供給を開始し、昭和45年には紙力増強剤プラントを完成させた。さらに、大昭和製紙向けのサイズ剤供給の効率化と低コスト化を図るため、加古川工場から高濃度の状態でタンク車輸送し、富士工場で濃度調整して大昭和製紙へ供給することとした。こうしてタキ20300形が昭和45年に4輌新製され、加古川駅から須津駅への輸送が開始され、昭和49年には2輌が増備され6輌体制となった。加古川工場〜加古川駅、須津駅〜富士工場間はタンクローリーで輸送された。つまり、両駅とも線路脇のタンクローリーからの荷役であった。なお、1989(平成元)年2月に加古川駅の貨物扱いが廃止されたことで発駅を失ない、鉄道輸送は廃止された。タキ20300形が車籍除外されたのは1年後の1990(平成2)年3月27日であった。

出典:ハリマ化成50年史 P88/https://www.harima.co.jp/company/harima50years/

   2022.1.23作成

 F-0144 タキ7750形57768 35トン積カセイソーダ液専用タンク車

 F-0145 タキ20300形30300  35トン積ペーストサイズ剤専用タンク車 

 F-0146 タキ20300形20302  35トン積ペーストサイズ剤専用タンク車

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