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昔のフィルムから 015

1980(S55).12.7 新興駅第三地区

 この日関東の貨物駅を初めて訪れた。京急生麦駅から歩いて到着した新興駅第三地区である。新興駅は第一地区、第二地区、第三地区に分かれていることを鉄道友の会貨車部会の例会で初めて知りたのだが、なぜかこの日は新興第三地区だけであった。ここは日本石油の油槽所に出入りする石油タンク車や、内外輸送メンテナンスセンター、その他の専用線に出入りするタンク車や有蓋車などで賑わっていた。

 この日はビギナーズラックで、タキ10000形の異端児10084と出会うことができびっくりであった。タキ10084は、タンク内部に装備している加熱管装置のメンテナンス向上とタンク内部洗浄の効率化のため、タンク外周下半分に加熱管装置を設けた試作車で、タキ35000形36104から撮影前年の昭和54年に改造された。本来は新形式とすべきであるが便宜的にタキ10000形として編入された珍車である。意欲的な試作車ではあったが登場時期は余りにも遅く、本車登場以降2022年の現在に至るまで加熱管付の石油類専用車はおろか石油類専用車は1輌も登場していない。さらに加熱管装置を必要としていたC重油の輸送量が激減していき、タキ45000形の加熱管装置を撤去したタキ42750形まで登場している。

   2022.1.13 作成

 F-0106 タサ1700形1851 20トン積ガソリン専用タンク車

 F-0107 タキ2100形2353 30トン積石油類専用タンク車  右側に加熱管装置の外部接続配管が見える

 F-0108 タキ9800形39866 35トン積石油類専用タンク車  左側に加熱管装置の外部接続配管が見える

 F-0109 タキ10000形10084 30トン積石油類専用タンク車 タキ350000形改造ではあるが利用したのは台枠以下で、新製したタンク体はタキ38000形と同構造とし、加熱管装置は鋼板を溝形と半円に成型したものをタンク体に溶接し角パイプおよび半月パイプとし、その外側に火傷防止用の断熱材付の遮熱板を設けた。タンク側面の四角い4枚の板が遮熱板である。

 F-0110 タキ14400形14404 35トン積ベンゾール専用タンク車 標準タンク車タキ35000形(35系タンク車)の構造を取り入れた

 F-0111 タキ43000形43108 43トン積ガソリン専用タンク車 当時は輸送している石油会社の車紋と社名がタンク上部手摺りに掲げられていた。本車は「共同石油」が掲示されている

 F-0112 入江−新興間専用車のヨ5000形14089

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