貨車写真館−049

  
2006/6/24 更新

タキ1100-13,20

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タキ1100-13

1998(H10)/6/21美祢  

タキ1100-20中央部

1998(H10)/6/21美祢  

 タキ1100形は平成9年に登場した37トン積みのフライアッシュ及び炭酸カルシウム専用のタンク車である。異なる2種類の積み荷を積載する初めてのタンク車である。宇部レールサポート所有で常備駅は美祢である。

 往路は美祢の宇部興産伊佐工場から粉体の炭酸カルシウムを岡見の中国電力三隅発電所へ,復路は同発電所で発生するフライアッシュを美祢の宇部興産へ輸送している。輸送している炭酸カルシウムは石灰の微粉体で石炭を燃料とする火力発電所の脱硫に使用する。フライアッシュは微粉体の石炭灰で,セメント製造時の材料となる。 往復でフライアッシュと炭酸カルシウムの異なる積荷を積載するが,タンク体内部には隔膜など無く同じタンク体に積載する。荷下ろし時の残が多少合っても積荷の用途上気にしないのかもしれない。

 タンク体は高張力鋼製で,両端部内径2,050mm,中央部内径2,900 mm,長さ12,844mmのF3タイプ異形胴で,板厚は鏡板および胴板共に4.5mmと薄い。タンク体は中央部を中梁無し台枠に落とし込み,受台と受板により台枠に溶接で固定する一体構造である。荷役は圧縮空気による圧送方式である。台枠長さは137,00mm,BC間距離10,100mmで,台車はタキ1000形のまくらばね特性を変更したFT23である。最高速度は95km/と,タキ1000形同様新世代の高速タンク車である。塗色はタンク体と台枠が薄青色,台車は灰色である。 

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