貨車写真館−030

  
2005/6/8更新

タキ1900形111907

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 図200 タキ1900形111907

2005/01/08 本巣

 住友大阪セメント岐阜工場の工場外には貨車の留置線があり、さらに細い公道がこれに沿って走っていて、車が滅多に来ないという絶好の撮影地である。後ろの山がちょっと賑やかだが架線が無いため素晴らしい形式写真が撮れる撮影地の一つである。今回の貨車写真館はそんな一コマである。

 タキ111907は、昭和47年9月にタキ111900〜111909の10輌ロットとして日立で製造された。昭和39年に誕生した本形式は、高度成長経済によるセメント需要増大に支えられ増備が続き、昭和47年7月にはとうとうタキ91999まで番号が埋まってしまった。次は101900〜としたいが、101900番台は昭和44年から増備が続いているTR209Bを履いた三菱セメントがいるため、111900〜付番され、本車の登場となった。

 本ロットまでのタキ1900形の寸法は、端部のタンク内径2,100mm、タンク長さ9,100mm、台枠長さ10,000mm、ボギーセンター間距離6,700mmが標準であった。台車は勿論TR41Cである。 本ロットでは、タ

ンク内径が100mm増え2,200mmに、タンク長さは300mm短縮され、8,800mmとなったが、台枠長さはそのままであった。この寸法は、これ以降の本形式標準寸法となった。

走り装置はTR41Cであるが、側枠下部の厚みを増やしたマイナーチェンジ版である強化側枠タイプを採用した。戦後長らくボギー貨車の標準台車として君臨したTR41Cも終演を迎える時期で、その後はTR41G→TR41E→TR225(TR213C)と変遷していくことになる。

受台の車体中央寄りの台枠とタンク体を接続する板は、、台車軸箱に雨水が入るのを防止するための雨除板である。

 新製時の所有者は大阪セメント(株)、常備駅は多ノ郷であり、昭和60年に近江長岡駅に異動した。平成6年には住友セメントと合併し、住友大阪セメントに社名変更されたが、社名板はご覧のように大阪セメントのままであった。

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